開業は、2年目前後の運転資金に注意!
弥生とプロジェクトニッポンの起業家支援サイト「開業計画NAVI」
5月29日、弥生は起業支援プラットフォーム「ドリームゲート」を運営する株式会社プロジェクトニッポンと協業し、起業家の開業を支援するWebサイト「開業計画NAVI」を立ち上げたと発表した。
開業計画NAVIは、実際にゼロから起業し、経営を行なっている企業経営者2369名を対象に実施したアンケート調査をもとに、事業計画書作成から会計・税務の専門家への無料相談まで、事業を継続するために必要となる知識やポイントなどをまとめたWebサイト。事業の継続性を「安全率」という指標を用いて診断できることが特徴だという。
安全率は、「売上が円となった場合に何カ月先まで事業を継続できるか」を示す値で、企業が保有しているキャッシュを毎月の運転資金で割って算出する。比率が高いほど、事業の継続性も高くなり健全な企業とのことだ。
開業計画NAVIでは、飲食業、小売業、理美容など、業界別に安全率を抽出し、事業計画書を作成できるツールを開発。起業を考える業種で事業を興した場合、どのくらいの資金確保が必要かを確認し事業計画書を作成することが可能だという。
そのほか、事業計画書の事例集、起業や会計の専門家に無料で質問できるページなど、起業や開業する際には欠かせない情報やサービスを提供している。
起業家は、先輩経営者の経験談や苦労から学んだ点などの「いきた経験」から事業継続のためのノウハウを手軽にかつ、わかりやすい形で学び、参考にできるとしている。
調査でわかった、黒字経営している企業になる方法
なお、今回の調査の結果、黒字経営している企業(黒字化企業)と、赤字経営に陥っている企業(赤字化企業)では、安全率推移の特徴的な違いがわかったという。黒字化企業、赤字化企業ともに、開業後2年目の安全率が急激に下がり、3年目になると再び上昇している。これは、開業2年目あたりで、経営を安定させ事業の方向性を修正・改善するための出費を伴うことが原因と考えられる。この2年目前後の“ターニングポイント”で、2年目の安全率を比べると、
- 黒字化企業:2.75ポイント
- 赤字化企業:1.15ポイント
と、運転資金に1カ月半の差が見られた。
つまり、この調査からは、“ターニングポイント”を乗り越えて事業を継続するためには、その存在を認識し、「早い段階で少しでも多くの手元資金を確保し、運転資金を減らし“安全率”を高めておくことが必要」であることが読み取れたという。