どうなる? 2012年ホリデーシーズンのデバイス商戦
Appleは9月に発売したiPhone 5、10月に出荷を開始したiPod touch、そして11月から販売するiPad Retinaディスプレーモデル、iPad miniを揃えました。GoogleはNexus 4、Nexus 10を発表し、Nexus 7を拡充させ、各メーカーのAndroidスマートフォンを揃えました。そしてMicrosoftは、Windows 8に対応するウルトラブックやタブレット、そしてSurface、Windows Phone 8搭載のスマートフォンをカラフルに揃えています。
米国では11月末の感謝祭の休日からクリスマスへとホリデーシーズンを迎え、最も消費が動く季節を迎えますが、ユーザーはどのようにデバイスを選べば良いのでしょうか。
例年ですと、ソニーや任天堂、Microsoftなどのゲームソフトとともにゲーム機本体が売れたりしそうですが、今年はまだその気配を感じることはできません。代わりに、同じ老若男女にスマートフォンやタブレットのデバイスに注目が集まっている雰囲気すらあります。日本でもiPadの発売が一般のニュースでも報じられましたが、予約はどうか、在庫の状況はどうか、性能の比較は、といった話題もローカルニュースのテクノロジーコーナーで報じられています。
ここで1つ、面白いことが起きはじめていると思います。これまで我々はパソコン、スマートフォン、タブレットと、製品のカテゴリーで物事を考えていたように思います。しかし、このアイデアはそろそろ捨てても良いのではないか、と考えるようになってきました。
スマートフォンでもタブレットでも、やることはだんだん絞られてきました。メール、ソーシャルメディア、クラウドへのアクセス、Web閲覧、ニュースチェック、読書、動画視聴、ゲーム、メモやドキュメントの閲覧と編集――もちろんパワフルなプロセッサーを生かした写真や動画の編集も、プレゼンテーションも、あるでしょう。
アプリを眺めてみると、OS自体の機能は、スマートフォンとタブレットでほぼ共通です。またiOSとAndroidともに、キーボードなど画面サイズに起因する多少の挙動の違いはありますが、基本的には同じプラットホームのアプリを利用できます。iOSではiPhoneアプリはiPadで動作しますし、Androidも同様です。Windows Phone 8とWindows 8も、プラットホームこそ分かれていますが、インターフェイスの雰囲気、Peopleハブ、ライブタイルなどの機能やデザインの統合は非常に進んでおり、共通の使い勝手で利用できます。
そんな事情から、デバイスのカテゴリーという分け方は、だんだん無意味なものになってきた、と筆者は考えるようになりました。
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