和と洋、過去と未来のギャップを出した「ダンシング☆サムライ」
── あとは「和楽・ダンシング☆サムライ」(この取材中にPVを撮影)。GACKTさんの声を使ったボーカロイド「がくっぽいど」の曲で、そのGACKTさんの声に似てるという歌い手の「ぽこた」さんがPVに出演される点が注目かと。
藤山 原曲の「ダンシング☆サムライ」は、歌詞が基本「和」なのに「ダンシング」という英語が入っていたり、がくぽのすごいイラストがPVに使われていたりと、ギャップが大きいですよね。昔と未来、和と洋という相反するものが混在するカオスさがあります。今回もそういう部分を体現したかったため、和楽器なのに最先端のニコファーレが撮影場所です。しかも、途中で洋楽器も登場します。
再生会数は200万を超え、がくっぽいどで最も有名な曲として知られる「ダンシング☆サムライ」。一度聞くとクセになります。 |
藤山 実は杵家七三社中のメンバーでも、尺八の竹井さんは、篠笛、フルート、ピッコロ、オカリナなども演奏されています。そもそも同じ和の世界でも、縦持ちの尺八奏者が横持ちの篠笛を吹くというのがレアで、見る人がみれば「えっ!?」と驚くものです。太鼓の多田さんは、ドラムやマリンバも演奏される。和洋の楽器を織り交ぜるのはいつかやりたかったネタなんですが、ダンシング☆サムライならぴったりだという。
藤山 そうしたコンセプトありきで、音のアレンジを発注しています。七三先生もアレンジに関わってるんですよ。
七三先生 弾きたいフレーズやアレンジの傾向をお伝えしています。本来、私に編曲の才能があればよかったんですが……。
藤山 それから、竹井さんや多田さんが違う楽器をやるということで、七三先生にも無理矢理キーボードを弾いてもらっています。PVだけでなく、音源も実際に弾いていただいたものです。
七三先生 晃太郎ちゃんにどうしても入れてくれと言われて、「白玉」(全音符)ばかりですが……。