ノートPCクーラーはどれくらい冷えるのか?
それではいよいよ、お待ちかねの「どれが一番冷えるのか選手権」の始まりだ! 今回はAspire S3-951で「バイオハザード5 ベンチマーク」のパフォーマンステストを10分間連続で動作させて、その時点でのノートPC底面の温度を放射温度計で計測した。CPUと内蔵GPUの双方に高負荷をかけるので、ノートPC単体で動作させた場合、内蔵ファンはフルパワーでぶん回り、ボディーもかなり高温になる。
テストではノートPC単体での測定前温度とベンチマーク動作後、各クーラーに設置してのベンチマーク動作後温度をそれぞれ計測している。各テスト後は10分間、テスト用テーブルから離れたところに設置した金属板の上に置いて冷却し、熱が抜けたことを確認してから次のテストを実施している。
動作モードが複数ある製品は、CLN20Uの場合、オート状態とマニュアルでのターボモード状態の2パターンを、CLN19Uはファンの音がギリギリ聞こえる程度まで回転速度を落とした状態(CLN19U min)と、ダイヤルでの最大速度状態(CLN19U max)、およびターボモード状態(CLN19U Turbo)の3パターンを計測している。
結果は上のグラフのとおり。赤いバーがノートPC単体状態で、当然ながら最も熱を持っている。特にCPU周辺の本体左後ろ側は40度近い熱を持ち、膝の上ではとても使えない状況だ。それがノートPCクーラーを使うと、CL12で約5度、最も冷えたCLN19Uのターボモード時では約10度も温度が下がっている! 正直に言えば、ここまで効果があるとは思っていなかった。
温度の下がり具合はおおむねスペックどおり。風量の大きなCLN19Uが最も温度低下が大きく、CLN19Uのターボ時>同最大時>CLN20Uのターボ時>同オート時>CLN19Uの最小時>CL12の順になっている。スペックには偽りなしと言ってよさそうだ。意外だったのは、ターボモードのオン/オフであまり大きな温度差がなかったことだ。またCLN20Uのセンサーを、最も熱を持つ左後ろ近くにひとつ設置して動作を確認してみた。計測時は26~28度程度を示しており、放射温度計での計測と比べて2~4度ほど低めの数字が出ていた。精度はそれほど高くなさそうだ。
計測後、ベンチマークを回した高負荷状態でCL12を膝の上に載せてみたが、なるほど確かにノートPC側の熱はほぼまったく感じない。ほかの2製品に比べると温度低下の割合は低いのだが、PC側は高温部分でも人肌よりやや温かい程度まで温度が下がっているし、膝では熱を感じないので、目的には適っていると言える。
ノートPCクーラーを使うことで、ノートPCの発熱、特に高温部の温度はかなり下がることが裏付けられた。では騒音の方はどうだろう? 今回は音量を測定する機材を用意できなかったので(スマホ用の騒音計を使えばよかったと気づいたが後の祭り……)、あくまで主観での比較になる。
CLN20Uのオートモード時は、騒音も意外に少なかった。とはいえ、ノート単体時の騒音よりも音自体は大きい。ターボモード時ははっきりとうるさい。CLN19Uも同様で、最小時はノート本体のファン動作音より小さいほどだが、最大時の動作音はかなりうるさい。ターボモード時は「ちょっとこれを動作させたままで作業はしたくないな……」と思うほど。温度の差を考えると、どちらの製品も普段はターボを使わなくても十分そうだ。一方、CL12の動作音は比較的静かで、動作音がうるさくて作業や娯楽に差し障るというほどではない。
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実際に計測してみると、ノートPCクーラーは意外なほどよく冷えるということがわかった。高速回転時の騒音は確かに気になるが、ターボモードを使わなければそれほど大騒音ではない。記者は風量をダイヤルで変更でき、動作状況に合わせて調整できるCLN19Uが、一番使い勝手と冷却効果のバランスに優れていると考える。実売価格も5000円台なので、手頃に買えるのも魅力的。ノートPCを高負荷のかかる処理やゲームに使っている方は、試してみてはいかがだろうか。
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