3月27日に電撃的に鴻海(ホンハイ)グループと業務提携を発表したシャープであるが、本日それを踏まえた経営戦略説明会が開催された。説明会でのテーマは「復活」。赤字の圧縮と鴻海グループとの協業により、どのようなドラスティックな改革を行なうのかという点を強調した。
シャープの奥田隆司社長によると、シャープが目指す復活の柱は大まかに4つに分かれているようだ。以下に列挙すると、
1.鴻海と協業することによるデジタル分野での優位性の確保
2.海外展開の強化
3.IGZOなどを使った新たな商品の創出
4.赤字圧縮による経営体質の改善
としている。
気になる鴻海との協業の具体的な内容であるが、これは中国市場向けの携帯電話事業の共同展開や、堺工場で生産されるパネルを第2四半期から鴻海が引き受けるといったもので、携帯電話に関しては2013年度から中国市場での展開を開始。液晶パネルに関しては、現在稼働率が50%以下になっているものを2012年度第2四半期に90%まで上げ、徐々に鴻海の引き受け率を高めるという形にするという。
また堺工場を運営する「シャープディスプレイプロダクト(株)」(以下SDP)を本社から切り離し、1300人の従業員は新SDPに移動。シャープからは大型液晶事業本部をなくすとしている。これにより3760億円の赤字は解消され、2013年末までに4000億円の赤字圧縮を行なうという。
なお、鴻海とシャープの関係は現状のままとし、知財や技術供与などの管理はシャープが行なうとのこと。
海外展開の強化に関しては、海外の支社へマーケティングや販売などの権限を委譲し、現在の海外売上比率50%を中期的には70%まで引き上げたいと話す。とくに中国市場での携帯電話事業の展開では、鴻海と共通のプラットフォーム、工場、調達力を活用し、複数モデルのラインナップを準備するという。
今年100周年を迎えるシャープであるが、どのように復活を果たすのか。今後の動きに注目である。