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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第5回

くす子ちゃんがついに出陣!

悪夢のグラベル戦! メロン号、四国で2年連続リタイヤに

2012年06月04日 18時00分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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今度こそは行けると思った久万高原
だが痛恨の2年連続リタイア!

眞貝選手「今回は、恥を忍んでステディーなペースで絶対完走、が第一目標。それをきっちり実行し、車もいい感じで温存しながら進められていたのですが……結論から言うと、“レッキ時の確認不足”でしたね。現場は草・土手のラインと側溝のラインがズレているコーナーで、まんまと草のラインに従ってしまい側溝に左前輪を落としてしまいました。これでホイール破損・ドラシャ抜け・タイロッド曲がりのため、自走不可となりリタイヤ……」

 まさか、2年連続で側溝に足をすくわれてリタイヤするとは思わなかった。眞貝選手の証言どおり、足を引っ掛けた側溝は左中速コーナーのイン側、雑草に隠れる位置にぽっかりと口を開いていた。側溝を発見した瞬間、あわてて修正舵を切っている眞貝選手だったが、時既に遅し。側溝にまともにはまり込み、その衝撃で左フロントの足回りにダメージを負ってしまったのだ。

SS8/西ノ川 Ⅰ(5.34km)

連絡を受けて走っていくと、メロン号はSS8のリタイヤ地点からオフィシャル車に牽引されて、山麓の県道まで引き出されていた。せめてサービスパークまでは帰ろうとしたらしく、車載工具で修復を試みた跡がある

左前側の足回りを覗いてみると、エンジンのパワーを伝達するドライブシャフトのジョイントがばっくりと破断していた。さらに左の写真で判るとおり、タイロッドも「く」の字に曲がっている。これではステアリング操作もままならない

予備パーツを携えたメカニックも到着。この場で修復を試みて、サービスパークまで自走できるようにする。共同戦線を張る桑田/澤田組ランサーが、競技の合間に様子を見に来ていた

 順位が低迷することも覚悟の上で、マシンに余計な負担をかけない安全な走りを心がけていても、たった一つのわずかなトラブルでリタイヤしてしまう。悔しいなんてもんじゃない。ラリーというモータースポーツの難しさを、改めて知った気分だった。

美川スキー場ラリーパークへと帰還して、多くの観客が待つスキー場SSに向かうマシンたち。そこにメロン号の姿はない……

 一方、CJRTの2台のサトリアはその耐久性の高さを活かすように、荒れきったステージを2日間にわたってノートラブルで走行。さらに上位陣の1台がリタイヤしたことにより、最終的には石川昌平選手/鈴木祐選手組が8位完走。もう1台の鈴木尚選手/山岸典将選手組のサトリアも順調にステージを消化していたものの、SS11で我々と同じく側溝で足回りを破損し、あえなくリタイヤに終わっている。

デイ2最後のサービスEをうけるCUSCOワークスとCJRTの3台のサトリアネオ。CUSCOワークスの明治/木村組は5位、CJRTの佐藤りあ号を駆る石川/鈴木組は8位で、それぞれ完走している

 メロンブックスラリーチャレンジは今回のイベントをノーポイントで終了し、開幕戦を優勝したことでゲットしていたシリーズ首位の座から陥落。トップ奪還を目指して、次なるイベント「がんばろう! 福島MSCCラリー」を迎えることになる。

次はグラベルの福島! 今度こそ完走だ!

 全日本ラリー選手権の第3戦として開催される福島戦は、福島県南部の山岳地帯を舞台とするサバイバル性の高いグラベルイベントだ。当初はリザーブ(予備参戦)イベントと位置づけていた福島戦だが、今回の久万高原がリタイヤに終わったことで、ポイント獲得を目指して正式に参戦が決定された。

 福島ラウンドの特徴は、路面状況がきわめて荒れているためにマシンの損傷率が非常に高いこと。ポイント奪取にはそれなりの高いスピードでアタックしなければならないが、あまり激しくプッシュすれば即座にマシントラブルへと帰結する難しいイベントだ。

 攻めるか、守るか。メロンブックスラリーチャレンジは、次戦「がんばろう!福島MSCCラリー」において重大な岐路に立たされることになるだろう。

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