マイクロソフトは16日(現地時間)、開発中だった次期Windowsの正式名称が「Windows 8」となったことを発表するとともに、発売されるエディションの内訳を公表した。Windows 7までのエディションは大幅に整理され、パソコン向けは2種類、ARMプロセッサー向けは1種類が提供される。
今件を公表したマイクロソフトのブログによれば、x86/x64(32bit版、64bit版)向けのWindows 8は、「Windows 8」(以下無印)と「Windows 8 Pro」の2種類に集約される。無印は従来のWindows 7 Home Premiumや、ネットブック向けのWindows 7 Starter、および日本では未発売のWindows 7 Home Basicの後継となり、これらからのアップグレード対象エディションとなっている。
一方Windows 8 Proは、Windows 7 ProfessionalやUltimateの後継となり、これらからのアップグレード対象となっている。Windows 7 Enterpriseの後継となるWindows 8 Enterpriseも、ソフトウェアアシュアランス契約のユーザー向けに提供される。EnterpriseはPro版の機能を備えるとあり、現行のWindows 7 EnterpriseとUltimateの関係を引き継ぐようだ。
無印とPro版の機能差については、ドライブ暗号化機能の「BitLocker」や暗号化ファイルシステム、仮想HDD(VHD)からの起動やHyper-Vクライアントなど仮想化関連機能、リモートデスクトップのホスト機能、ドメインログインやグループポリシーによる管理などが挙げられている。仮想化関連を除けば、おおむね現状のHome PremiumとProfessional/Ultimateの違いと同等と言える。企業向けパソコンに多いWindows 7 Professionalでは対応していなかったBitLocker機能が、Windows 8 Proでは使えるようになるのは朗報と言えそうだ。
ARMプロセッサー向けのWindows 8は、ナンバーの付かない「Windows RT」の1種類が提供される。投稿にはPCまたはタブレットにプレインストールでのみ提供とあり、単体パッケージでは提供されないことが確定したようだ。Windows RTでは「Microsoft Office」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote)の、タッチ操作に最適化されたバージョンがプレインストールされて提供される。一方で、x86/x64用のデスクトップアプリケーションのインストールには対応しない。
また、Windows RTではWindows Media Playerがサポートされないほか、BitLockerに対応しないかわりに、x86/x64用にはない「Device encryption」なる機能に対応するという。