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日本通信、MNPでの過剰な動きに抗議 音声SIMに利用期間

2012年03月22日 20時30分更新

文● ASCII.jp編集部

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 日本通信は、同社の音声通話が可能なSIMカード「talkingSIM U300」「talkingSIMプラチナ」(microSIM版含む)に1年間の最低利用期間を設定。1年未満の解約については1万500円の違約金が発生するようサービス内容を変更した。

 talkingSIM U300は月3960円で、FOMA網を利用したベストエフォート300kbps超のデータ通信とともに、1050円分の無料通話分(国内通話は30秒あたり21円)も付いてくるSIMフリー端末用のSIMカードだ。また、talkingSIMプラチナはSIMフリー版iPhoneを対象にしている。

 同社が今回のサービス内容を変更した理由として、「携帯キャリアの過度なMNPインセンティブに対する公開抗議」として、同社サイト上で声明を公開している。一部を抜粋して紹介しよう。

携帯キャリアは、事業者間競争が激化する中、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)による転入に対して、キャリアショップ等と連携して1回線あたり3万円から7万円程度のキャッシュバックを支払っています。一方、当社は、音声付きSIMサービスの中に、最低利用期間がないものを設けています。

ところが、この状況を利用することにより、最低利用期間がない当社のSIMを申し込み、直後にMNPで携帯キャリアに移動し、それを即座に解約することで、1回線あたり数万円のキャッシュを手に入れることができてしまいます。

 このような動きの背景には携帯キャリア各社が、MNPを利用し、他キャリアから転入してきた新規契約者に対して、大きな優遇処置を提供している状況がある。

 たとえば一部ケータイショップでは、auのスマートフォンをMNPによる新規契約し、さらに特定の料金プランやオプションと組み合わせることで、端末価格が(実質価格ではなく)一括で0円になるほか、数万円のキャッシュバックを提供する例が複数で見られる。

 ソフトバンクについてもホワイト学割との組み合わせなどでやはり同種のキャッシュバック、ドコモもMNP新規加入に限定して「月々サポート」が最大5万400円増額(2100円×24ヵ月)するサービスを展開中だ。

 そして、このようなMNP新規加入での恩恵を受けるために注目されているのが、比較的簡単に契約できる(つまり必要な料金も少ない)MNPでの転出元である。

 具体的には、プリペイド契約の端末(ソフトバンク「プリモバイル」、au「ぷりペイド」。ともに利用期間の設定や契約事務手数料など条件が最近変更された)、ドコモの「2in1」(1台のケータイで2つの電話番号が使えるサービス)のBナンバー、そして利用期間の制限がなかった日本通信の音声通話付きSIMなどである。

 日本通信ではそのような利用についても、契約事務手数料、通信料、MNP手数料が発生するため、経営的には問題がないとするが、通信業界の健全な発展のために問題提起し、解決を訴えるとする。なお、今回の変更は問題提起にともなうもので、あくまで一時的な処置だとしている。


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