12月6日、デルは2011年8月のフォーステンネットワークス(以下、フォーステン)の買収を踏まえたネットワーク戦略を説明する発表会を開催した。今までOEMで提供してきたデータセンター向け製品はひとおとりフォーステン製品に置き換える。
データセンターにフォーカスしてきたフォーステン
デルが買収したフォーステンは、データセンターに特化したネットワークベンダーで、10Gbps Ethernet対応のスイッチをいち早く投入したベンダーとして知られている。1999年の創業以来、マルチプロセッサー対応のスイッチや10GbE対応ToR(Top of Rack)スイッチなどを次々と製品化し、先頃40GbE対応のボックス型コアスイッチ「Z9000」も発表している。
8月の買収以降、フォーステンの日本法人もデル日本法人の一部門となり、「Dell Force10」のブランドで製品を展開する。元フォーステン日本法人の代表でデルのネットワーク事業部でForce10ユニット リージョナルディレクターに就任した林田直樹氏は、フォーステンの強みとして、高密度・ハイパフォーマンス、モジュラー型のOS「FTOS」、オープンシステム対応、ノンブロッキングな処理能力、既存資源の有効活用など5つのポイントを挙げた。また、データセンターにサーバーが集約されつつある昨今、10GbEスイッチの市場が年率25%の勢いで伸びている現状を説明した。林田氏は、こうしたデータセンターのニーズを満たすネットワークとして、40GbE対応のZ9000をメッシュ接続することで実現されるワイヤスピードの分散型バックボーンネットワークを提案した。
ネットワーク機器のOEM体制に変化
続いてコンピューティング&ネットワーキング統括本部 セールススペシャリストマネージャーの草薙伸氏は、新ラインナップや製品戦略について説明した。
従来からデルは「PowerConnectブランド」でおもにSMBや中堅中小企業向けのネットワーク機器を展開していたが、「データセンター向けネットワーク機器に関してはOEMに頼った販売を行なっていた。今後はフォーステンの買収により、自社製品として販売できる」(草薙氏)とのことで、今後はデータセンター系ポートフォリオでフォーステン製品を組み込んでいくという。「重なるのはフォーステンのエントリ機種とPowerConnectの上位機種の一部のみで、ラインナップのオーバーラップはきわめて少ない」(草薙氏)と説明する。
一方、今までOEM供給を受けていたジュニパーに関してはSRXのようなファイアウォール製品のみ、ブロケードに関してはFibreChannel製品のみOEM契約を継続することになる。ただ、ワイヤレスネットワーク製品を手がけるアルバネットワークスに関しては、ラインナップ全体でのOEM契約を継続する。今後の販売計画として、草薙氏は、「シナジー効果を生むために、SシリーズなどToRスイッチに力を入れたい」と述べた。また、フォーステン製品のOSであるFTOSをPowerConnectの一部の機種に搭載したり、管理GUIを統合する計画もあるという。