今回は、前回レビューを掲載した東芝のUltrabook「dynabook R631」の開発者インタビューをお届けする。前回のレビューを読んでいただけるとわかるが、R631はUltrabookであるということを差し引いても、意欲的な設計のモバイルノートである。Ultrabook1号機に、東芝はなにを込めたのだろうか? 開発者インタビューから探ってみよう。
今回お話しいただいたのは、以下の6名の方々である(以下敬称略)。
モバイルを「一家一台以上」のパソコンに
まずR631は、何時ぐらいから開発をすすめていた商品なのだろうか? 「Ultrabook」という規格ありきの製品と思われがちだが、東芝社内で検討を始めた時期は、意外に早い。ひとつのきっかけとなったのは「あの製品」だ。
高頭「東芝はもう10年以上前から、薄型・高性能なモバイルノートPCを手がけてきました。おかげさまで『dynabook R731』はヒットしましたので、さらに薄型・軽量を追求しようと考えました。やはり『世界最薄・最軽量』には挑戦しないといけません。そのため去年くらいから、いろいろと考え始めました。
そこにタイミングよく、インテルのUltrabookの話がきたのです。実際、昨年末のデータを見ると、『MacBook Air』は価格を下げてから、販売量が大幅に伸びていました。この流れに乗ってUltrabookを出したいと、当社も準備を始めたということになります」
長尾「R731からの改善という意味では、R631も以前から続くイノベーションと同じ流れにあります。狙いとしては、高価格帯で進んでいたがためになかなか進まなかった『一家に一台以上』を実現すること。インテルのUltrabookも同様の狙いがありますので、メーカーとしてそこに賛同したのです。
カテゴリーとしては新しいものを作り、対応する形となっていますが、モノ作りとしては“進化形”です」
高頭「弊社の基盤技術である小型化技術を使い、ビジネスユースでも負けないこと、全部搭載しても最薄・最軽量を目指したのが『R631』ということになります」
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