BlackBerryの開発元であるResearch In Motion(RIM)は、10月18日、サンフランシスコで開催した開発者向けイベントである「DevCon」で、次世代OSである「BBX」を発表した。
変化が進むスマートフォン市場
RIMは買収企業のOSの採用で生き残りを図る
BlackBerryは独自OSを搭載するスマートフォンで、通話中心だったアメリカ市場では電子メール端末として広く普及していた。しかし、iPhoneやAndroidなどの登場で、アメリカの携帯電話市場も様変わりしつつある。iPhone登場以前には、アメリカの携帯電話事業者の収入は音声通話がデータ通信を大きく上回っていた。このため多くの携帯電話は数行程度のテキスト表示しかできない、日本で言えば1990年代後半の携帯電話と同じようなものが大半だった。
しかし、スマートフォンの普及で大きく市場が変化してしまった。これまで外出先でメールを手軽に利用しようとすれば、BlackBerryを使うしかなかったのだが、iPhoneやAndroidのようなタッチ型のスマートフォンが徐々にその市場を奪いつつある。
これに対してRIMは、BlackBerry OSの機能を順次強化することで対抗してきた。以前からもユーザーによるアプリケーション開発は活発で、アプリケーションストアも開始されたが、iPhoneやAndroidに開発者が流れてしまうことを止めることは難しかったようだ。
こうした中、昨年、RIM社が発表したのが「PlayBook」と呼ばれるタブレットだ。このPlayBookにはRIMが2010年に買収したQNX Software Systems社のリアルタイムOSである「QNX」をベースにした「Tablet OS」が採用されていた。
今回RIMが発表した次世代OSであるBlackBerry BBXは、やはりこのQNXをベースにしている。またBBXにより、タブレットとスマートフォンで同じOSが搭載されることになる。