前回の続きです。なぜ朝5時半に起きるほど、気合いを入れて猫を撮りに行っていたのか。実はグループ展に参加するのである。
写真家の三井公一氏が主宰する「ブ写会」というグループがあって、まあ、ブラブラ写真を撮る会というか、みんなで集まって写真散歩しよう、という会なんだけど、シグマの50周年記念イベントに併催する感じで、グループ展を開催させてもらえることになったのだ。
イベントに写真を出すならきちんと撮らねば、ってことで気合いが入っていたわけ。
使うカメラはもちろんシグマ。41mm相当の単焦点レンズを持つコンパクトデジカメの「DP2s」だ。すでに新製品「DP2x」に切り替わっているけど、わたしが持っているのは旧モデルなのでそちらで。
ポイントは「X3センサー」を搭載したコンパクト機であるということ。一般的な撮像素子と画素構造が異なっており(RGBの三層構造になっているのだ)、ディテールがすごくしっかりしていて発色がよく、コアなファンが多いことで知られている。
米Foveon社が開発したので、「Foveonセンサー」なんて呼ばれているが、シグマがFoveon社を吸収したため、正しくは「X3ダイレクトイメージセンサー」。シグマのコンパクトカメラやデジタル一眼レフで使われている撮像素子だ。
41mmというのは猫を撮るにはちょっと難しいそうなんだけど、撮ってみれば結構なんとかなるものである。
近づけない猫は撮れないじゃないか。いや、近づかなくてもいいのだ。
猫のアップを撮るのなら東京で撮ってもいいのである。撮りたいのは「そこで暮らしている猫」であり、古くて小さな海辺の街に溶け込んでる姿なのである。そう考えると、41mmというのはとても扱いやすい。
早朝、テトラポッドの上で気持ちよく寝ていた猫。無理に近寄らず、背景の瀬戸内の島々や、右から現れた船を意識した構図で撮ってみた。
広い空間にぽつんと猫がいる感じが気に入ってる。
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