webOSは失敗だったのか?
完成度はともかく、OS自体の評判は悪くなかった
先週は、モバイル市場が激しく動いた週だった。まずは8月15日、GoogleがMotorola Mobility買収計画を発表、週の後半(18日)にはHewlett-Packard(HP)がwebOS端末開発の打ち切りを発表した。2つのニュースから、改めてAppleの強さが際立った感がある。
まず、わかりやすいのはHPだろう。HPはスマートフォン/PDAの草分け的存在といえるPalmを2010年半ばに12億ドルで買収、Palmのスマートフォン向けOSであるwebOSを手に入れた。当時Palmは業績が苦しい状態にあり、HPに買収されることで販売や流通、マーケティング、開発者向けの取り組みなどさまざまな面でのテコ入れが期待された。
HPはその後、「Veer」「Pre3」などのwebOS搭載スマートフォンを発表したが、世界最大規模のPC事業を持つHPにとって、本命にみえたのがタブレット「TouchPad」だ。Androidタブレットがまだ大きな勢いを持たない中での登場とあり、iPad対抗本命かと一部で期待された。TouchPadは7月にアメリカで発売を開始したばかりだが、レビューはいまいち。たとえばWallStreetJournalの著名ジャーナリスト、Walt Mossbergは、ユーザーインターフェイスなどに評価をしつつも、Appleの「iPad 2」に軍配を上げている。
だが、今回のwebOS端末開発の打ち切りは、TouchPadの失敗が直接かつ最大の原因ではないと思える(HPは「webOS端末はコンシューマーを十分にひきつけることはできなかった」と記してはいるが)。webOSそのものの評価は悪くないといわれているし、今後改善していくことだってできたはずだ。今回の判断はむしろ経営陣側の戦略ミスに思えてならない。
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