日本のコミケ同様、年2回開催だが、冬は2月、夏が7月に開催される台湾版コミケ「Fancy Frontier18」(以下、FF)が、7月30日、31日の2日間にわたって国立台湾大学体育館で開催された。
出店サークル数は約1000サークルと日本のコミケの数十分の一の規模だが、参加者数は6万人以上で、台湾で最も大きな同人誌即売会となっている。
同人即売会とはいえ、日本のようにフィギュアはワンフェス、同人誌はコミケ、といったイベントの棲み分けが行なわれているわけではない。FFの会場では、コミケのように同人誌や同人グッズを販売するサークルに混じって、フィギュアなどの造形物を販売するサークルもチラホラ。
日本の同人シーンにおける流行とタイムラグがなく、日本とほぼ同じ作品が人気を集める台湾。FFの会場では、今年2月に開催された際に一部のサークルが取り上げていた「魔法少女まどか☆マギカ」と「初音ミク」が大人気で、会場は日本の同人イベントさながらだった。
極少数ではあるが「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「青の祓魔師」といった、今年の4月以降、放送が開始されたアニメ作品を題材とした作品を並べるサークルの姿もあり、相変わらずの情報伝達の速さに驚かされた。
日本のコミケでは会議棟などに設置されることの多いステージが、メイン会場である体育館の3階に設置されるのが、コミケとFFの大きな違いと言える。
ステージでは、現地の漫画家による作品の始動や協賛スポンサーによる製品の紹介、日本から招かれたゲストによるトークショーやライブが行なわれ、ステージの目の前のスペースには会場と同時にお目当てステージを、最も良い場所で見たいという熱心なファンが走り込む姿が見られた。
ちなみに、FF18の日本からのゲストは、前回に続いて5pb.(現MAGES.)代表の志倉千代丸氏、そしてK-1日本チャンプにしてコスプレ格闘家の長島☆自演乙☆雄一郎さん、「シュタインズ・ゲート」で天王寺 綯役を演じる山本彩乃さん、「初音ミク」などVOCALOID2シリーズのキャラクターデザインを手がけたKEI氏、そしてもっとも大きく会場を沸かせた「魔法少女まどか☆マギカ」佐倉杏子役や「宇宙のステルヴィア」の片瀬志麻役などを演じる野中 藍さんらとなっていた。
これらのゲスト以外にも、日本のとらのあなやNavelやcircusといった美少女ゲームメーカーが企業ブースを出店していたほか、個人サークルでも10サークル以上が日本から参加。また会場の様子は、台湾のニコニコ動画の中継で、台湾のみならず日本への生放送も行なわれていた。