完全にAndroid一本に注力することにはリスクがある?
HoneycombタブレットはXoomを皮切りに、Samsung「Galaxy Tab 10.1」やLG「Optimus Pad」など、次々とリリースされることになっており、もちろん今後アプリは増えてくるだろうと予想できるが、さらに機運を削ぎかねないニュースがあった。Android開発を統括するGoogleのAndy Rubin氏が3月末、米紙に対して通常なら公開されているはずのAndroid 3.0のソースコードの一般公開について、「当面行なわない」とする方針を明かしたのだ。
オープンソースはAndroidの魅力の1つだが、Androidが抱えるリスクの1つとして、Googleによるコントロールが指摘されてきた。それはつまり「Googleがある日突然、開発方針を変更したらどうなるか?」というリスクだ。今回Rubin氏は「オープンソースという戦略に変更はない」と強調しているが、Androidに対する見方を変えたメーカーや開発者もいるだろう。Androidはこのほか、Oracleとの特許訴訟、バージョンが異なるOSが市場に存在する分断化についても問題とされている。
そんな時期に出てきたのが「Motorolaが新OSを開発?」という噂だ。Motorolaは2010年にAzingoというモバイルOSベンチャーを買収しているが、Information Weekによると、MotorolaはApple、米Adobe Systemsなどからウェブ開発者を複数引き抜いており、Androidの代替となり得るWebベースのOSを開発中との情報を得たという。うわさについて、Motorolaは「OSとしてAndroidにコミットしている」と述べるにとどめたとのことだ。
Androidを採用するメーカーを見てみると、Samsungは同社独自OSの「Bada」を持つし、Sony Ericssonも「Windows Phone」の可能性を今でも残している。そのWindows Phoneは、Samsung、LG、台湾HTCなどが採用している。Motorolaが代替案を模索していてもおかしくはない。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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