本体前面にハードキーはない。ホームボタンなどのAndroidで多用するキーは、Honeycombではバーチャルボタンになっているためだ。ボタン類はサイドに音量調節用のボタンがある程度だ。電源ボタンはなぜか背面の、カメラの近くに配置されている。これには正直驚いた。だが実際に使ってみると、指がちょうどかかる場所にボタンがくるようになっているので、さほど大きな問題ではない。
端子類としては、MicroUSBとMicro HDMI、電源(接点式とアダプタ式の2種類)が装備されている。電源とMicroUSBが別になっていることからもわかるように、XOOMはUSBからの給電に対応していない。ACアダプターはノートパソコンのそれに近いサイズで、決して小さくない。電源コネクターは非常に細く、小さな独自のものだ。そのため外出時にUSBから給電を受けて使う、というのは難しい。
とはいうものの、そもそもこの種のタブレット端末はバッテリー動作時間が恐ろしく長いので、そういう心配は不要だろう。カタログスペックでは連続動作時間が約510分(約8時間30分)となっており、ライバルであるiPadのそれとも大差ない。今回はおおよそ5日間ほど、メイン端末としてメールやウェブの閲覧を中心に使ってみたが、その間にバッテリーを充電したのは1回だけだった。
いわゆるベンチマークテストの類は行なわなかったが、AVC形式/480pでエンコードされた映像ファイルを2時間程度見た後でも、バッテリーは10%程度しか減っていなかった。ほぼ想定どおりの時間は動作する、と考えて良さそうである。
とにかくサクサク・高速!
大きな変化に戸惑うが「最適化済み」アプリは快適
さて、中身を見ていこう。XOOMが利用しているプロセッサーは、NVIDIAの「Tegra 2」(Tegra 250-1GHz)。メモリーは1GBとなっている。ストレージは内蔵のフラッシュメモリーが32GBで、そのほかにmicroSDHCメモリーカードを使い、最大で32GBを増設可能になっている。
このあたりのスペックは、昨今のハイエンドAndroid端末では珍しくない、標準的なものといえる。だがXOOMが異なるのは、OSがHoneycombになっているという点だ。Honeycombはタブレット端末向けであると同時に、デュアルコアプロセッサーへの最適化を進めたバージョンでもある。
XOOMで採用されているUIは、Honeycombの標準的なものであり、モトローラによるカスタマイズはほとんど行なわれていないという。XOOMがHoneycombにとってのリファレンス機的性格を持っているためであるようだ。言うなれば、Android 2.xにおける「Nexus」シリーズに近い位置づけなのだろう。
スマートフォンと比べてディスプレーサイズが広がったにもかかわらず、プロセッサーへの最適化が進んでいるせいか、動作は文字通り「羽根が生えたかのように」快適だ。率直に言って、これまでに使ったどのAndroid端末より動作が速いと感じた。
この連載の記事
-
第116回
PC
「VAIO Duo 13」—革新は形だけじゃない! 変形ハイエンドモバイルに込めた思い -
第115回
PC
ソニーの本気—Haswell世代でVAIOはどう変わったか? -
第114回
PC
渾身の「dynabook KIRA V832」はどう生まれたのか? -
第113回
PC
HPの合体タブレット「ENVY x2」は、大容量プロモデルで真価を発揮! -
第112回
PC
ソニー“3度目の正直”、「Xperia Tablet Z」の完成度を探る -
第111回
PC
15インチでモバイル! 「LaVie X」の薄さに秘められた魅力 -
第110回
PC
フルHD版「XPS 13」はお買い得ウルトラブック!? -
第109回
デジタル
ThinkPad Tablet 2は「Windows 8タブレット」の決定打か? -
第108回
デジタル
今後のPCは?成長市場はどこ? レノボ2013年の戦略を聞く -
第107回
PC
Windows 8とiPadがもたらす変化 2012年のモバイルPC総集編 -
第106回
PC
Clover Trailの実力は? Windows 8版ARROWS Tabをチェック - この連載の一覧へ