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光とEthernetでキャリアのネットワークを刷新

ノーテルのMEN事業の買収したシエナが戦略を披露

2011年01月21日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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1月20日、キャリア向け通信機器メーカーである米シエナは、最新の戦略や日本での事業展開に関する説明会を行なった。同社は2010年に旧ノーテルのMEN(Metro Ethernet Networks)事業を買収しており、今後は日本にも注力する。

 発表会の冒頭、登壇した米シエナの社長兼CEOであるゲーリー・スミス氏は、会社概要や業界におけるポジショニングを説明した。

米シエナの社長兼CEOであるゲーリー・スミス氏

 米シエナは1992年に設立されたキャリア向け通信機器メーカーで、1本の光ファイバーに複数の異なる波長を通すことで大容量の伝送を可能にするDWDM(高密度波分割多重送信)の技術の先駆者として知られている。その後、光伝送装置やスイッチング、通信事業者向けの自動化ソフトウェアなどの分野で製品を展開し、世界各国の通信事業者やエンタープライズ、官公庁、研究開発機関などの高い実績を築いた。1997年には上場を果たしており、現在60カ国に展開している。

 シエナは、2010年にノーテルのMEN事業を買収。具体的にはキャリア向けEthernetや光伝送の製品や技術を手中に収めた。スミス氏は「商用100GbEを提供できる唯一のベンダーである。メッシュ型スイッチ、OTNの世界的リーダーでもあり、世界のオペレーターの80%に対応する」と同社のテクノロジー的なリーダーシップをアピールした。また、「世界のキャリアは次世代アーキテクチャへの移行を進めている。モバイルコンテンツやビデオコンテンツの増加、企業のクラウド導入などが、この移行を後押ししている要因だ」と述べ、通信事業者のインフラ強化を強力に支援していくとした。

日本シエナコミュニケーションズ 代表取締役社長の久米博之氏

 国内の展開に関しては、ノーテルでMEN事業を統括していた日本シエナコミュニケーションズ 代表取締役社長の久米博之氏が説明した。まず製品ポートフォリオの整理や組織やインフラ統合、マーケティングプランなど2社の統合がスムースに行なえたことをアピール。また、日本での事業展開として、通信事業者やサービスプロバイダー、金融、教育、政府機関、データセンターなどの企業、そして海底ケーブルのマーケットなどに注力すると説明した。具体的には「BizConnect」というパートナープログラムを中心に、沖電気工業、ユニアデックス、日商エレクトロニクス、住商情報システムなどの主要パートナーとともに販売を強化していくという。こうしたなか、久米氏はノーテルに比べて「光伝送やEthernetなど複数のレイヤを統合して、製品を提供できるという点が大きい」と述べており、国内メーカーが強い日本市場においても積極的に市場を開拓していく。

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