International CESでは、開催前日の夜にマイクロソフトが基調講演を行なうのが恒例となっている。ビル・ゲイツの引退後は、スティーブ・バルマーがその役を引き継いだ。
2010年はタブレットコンピュータである「スレートPC」を大きく取り上げたが、読者もご存じのようにWindowsを搭載したタブレットコンピュータは限られており、広く普及するには至らなかった。それに対してiPadは人気を集め、広く普及している。
またビル・ゲイツが務めていた主任アーキテクトの後継者であったはずのレイ・オジーはマイクロソフトを退社。技術的な「ビジョン」を担う人物が抜けただけに、今後の方向性を危ぶむ声もあった。
3スクリーン戦略を改めてアピール
Xbox、Kinectをさらに活用する
そんな今年の基調講演であるが、バルマーは、昨年以来唱えている「3スクリーン」つまり「PC、携帯電話、テレビ(ゲームコンソール)」という3分野を統合するという話から始めた。具体的な製品としては「Windows」、「Windows Phone 7」、「Xbox」の3つである。
バルマーは「Kinect」の発売で盛り上がるXboxから話を始めた。Kinectは単にゲームに利用できるだけでなく、Xbox LIVEなどの操作にも利用でき、テレビでXbox LIVEのコンテンツである映画や音楽を楽しむ場合にも利用できることをデモしてみせた。そしてアメリカの商用動画配信サービスである「Hulu Plus」が新たにXbox LIVEに加わることを発表した。
ひととおりのデモが終わった後、画面に登場したのはバルマーの「アバター」である。Xbox LIVEでは自分のアバターを定義して、仮想世界の中でこれを動かすことができる。そしてそのアバターをKinectで制御する「Avatar KINECT」が、今年4月からXbox LIVEのゴールドメンバーシップ会員が利用できるようになることを発表した。
このAvatar KINECTでは仮想世界で「会合」ができ、さらにそれを録画して共有することもできる。Kinectが持つ、ボディートラッキングやフェイストラッキングにより、身振りや手振り、そして顔の表情までがそのままアバターの動きになる。
CDMAや多言語対応を進める「Windows Phone 7」
今年こそ日本でも登場する?
続いての話題がWindows Phone 7だ。2010年10月に発売が開始されたWindows Phone 7だが、すでに5000以上のアプリケーションが利用できるようになったという。そして、最初のアップデートを数ヵ月以内に実施することを発表した。これは、現在利用できない「カット&ペースト」に対応するほか、アプリケーションの読み込みや切り替えにおける、実行効率を改善する予定だという。
また現時点ではWindows Phone 7はGSM/W-CDMA方式のみに対応だが、CDMA2000系を用いるVerizonやSprintといった事業者向けのWindows Phone 7も今年前半に発売が開始されることを述べ、年内には複数の言語に対応する予定であると語った。
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