USBに関する注意点
Bluetoothマウスも正常に動作
XenClientでは、仮想環境上でUSBをサポートしている。例えば仮想OSでUSBメモリーを挿すと、自動的に認識してドライブとして利用できる。
ただし、ひとつのUSBメモリーを複数の仮想OSで共有することはできない。例えば、Windows 7で認識したUSBメモリーを挿したまま、Windows XPに切り替えても、Windows XP側ではUSBメモリーを認識しないのだ。Windows XPでUSBメモリーを使用したい場合は、一度Windows 7側でUSBメモリーを取り外す処理をして、Windows XP側で認識させる必要がある。
USBメモリー以外に、いくつかのデバイスを試してみた。まずUSB端子にBluetoothレシーバーを接続してマウスを使用してみたが、問題なく表示中の仮想OSで利用できた。マウスやキーボードに関しては、XenClientの専用ドライバーによって、仮想OSで利用できるようになっている。またUSB-HDDに関しては、USBメモリーと同じような使い勝手になった。
仮想OSでGPUを利用する
XenClientの最大の特徴は、インテルCPUが持つI/Oパススルー機能「VT-d」を利用して、仮想OSからGPUが利用できることだ。ただし、単にXenClientにOSをインストールしただけでは、XenClient専用の仮想グラフィックドライバーがインストールされるため、GPUの機能を直接利用できない。いくつかの設定が必要になる。
まずXenClientの管理コンソールで、GPUを利用したい仮想OSを選択する。この時には、「View」を詳細表示モードにしておく。そして詳細表示モードの「Experimental」タブを選択して、「3D Graphics Support」を「Enabled」にする。
すると、仮想OS上でGPUが認識されて、GPUに対応したドライバーが改めてインストールされる。再起動すれば、ディスプレーアダプターとして「Intel HD Graphics」がインストールされている。
仮想OSからGPUが利用できるようになったことで、Internet Explorer 9(IE9)のようにアプリケーションからGPUを利用できるようになる。もちろん、DirectXを使うゲームソフトなども動かすことが可能だ(あくまでIntel HD Graphicsで動く程度の話だが)。
ただし、現在XenClient 1.0でサポートしているGPUは、第1世代Core iシリーズ内蔵の「Intel HD Graphics」と、Intel 4~5シリーズチップセット内蔵の「Intel GMA 4500」の2種類しかない。そのため、ゲームなどでは高い性能は出ない。
シトリックスでは、XenClientの次バージョンでNVIDIA GPUのサポートを検討しているようだ。ただしその場合でも、すべてのNVIDIA GPUというわけにはいかず、一部のサポートに止まるだろう。
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