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シトリックスがデスクトップ仮想化市場に新製品投入

シトリックスの「XenClient」でデスクトップは変わる?

2010年09月28日 06時00分更新

文● 渡邉利和

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 なお、発表会にはゲストとしてインテルのマーケティング本部 エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング統括部長の徳永 貴士氏も出席し、インテルのvProに対する取り組みについて説明を行なった。

インテル マーケティング本部 エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング 統括部長 徳永 貴士氏

 同氏は「サーバーやネットワークに関しては、企業規模によらずおおむねちゃんとした管理者がいて安全に運用されていることが多いが、クライアントPCは個々のユーザーに任されており、全社的なポリシーもないままになっている例が目立つ」と指摘した。その上で、「PCが企業や個人の生産性を高める、というのがインテルとしての基本的な考えだが、セキュリティに対する懸念からPCの活用が制限されるようではいけない。それに対してインテルができることは何か、と考えた結果がvProである」と位置づけた。同氏はvProについて、「ハードウェアによる機能拡張」とし、インテルが用意するのはあくまでハードウェアの機能であり、それを活用するのはソフトウェア・ベンダーに任されているという基本的なスタンスを明らかにすることでシトリックスとインテルの協業関係の意味を強調した。

シトリックスのXen ClientとvProテクノロジーとの連携

対応ハードウェアの拡大が今後の課題?

 XenClientに関しては、開発表明は以前から行なわれていたため、ようやく製品化された、という感もあるが、個人的な環境と業務用の環境を1台のPC上に完全に分離された形で共存できるようになるなど、企業内ユーザーにとっては多大なメリットのある機能だといえる。最近のPCでは作業環境を仮想化しても特に支障を感じないほどの潤沢な演算リソースを備えるようになってきているので、ハードウェアの能力を活用するためにも、今後急速に普及すると期待できる。

 XenDesktopの機能として位置づけられたことから、現時点では比較的大規模なシステムとなり、また動作環境としてvProが要求されることも導入障壁となりかねない部分がある。対応ハードウェアに関しては今後対象を拡大していく計画があるといい、今後の成熟によって多くの企業にとって導入しやすいシステムになることが期待される。

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