8月23日、トレンドマイクロは企業向け統合セキュリティソフトウェアの新バージョン「ウイルスバスター コーポレートエディション 10.5」(ウイルスバスター Corp.10.5)、統合管理ツール「「Trend Micro Control Manager 5.5」(TMCM5.5)を発表した。VDI(Virtual Desktop Infrastructure)環境でのウイルス検出時間を短縮したのが特徴で、9月15日より受注開始する。
サーバー上の仮想化環境でクライアントOS(仮想デスクトップ)を実行するVDI環境では、物理サーバーのリソースを共有する。そのため、通常の環境と同様に、同じスケジュールでウイルス検索やパターンファイルのアップデートを一斉に行なうと、物理サーバーに大きな負荷がかかり、極端なパフォーマンス低下を招く危険がある。
この問題を解消するため、ウイルスバスター Corp.10.5では、同じ物理サーバー上の仮想デスクトップで処理のタイミングが重ならないようにスケジュールを自動調整する。さらに、仮想デスクトップのマスターイメージをスキャンし、安全と確認されたらホワイトリスト(OSテンプレート)として登録。それぞれの仮想デスクトップ内のホワイトリスト部分は、スキャン対象から省く機能を搭載する。これにより、スキャン時間の削減が可能となるという。
同社によれば、1台の物理サーバーで20台の仮想デスクトップを実行している環境で、20台すべてのウイルス検索に要した時間は、前バージョン(ウイルスバスター Corp.10)から7割短縮されたという。
価格(税別)は、クライアントOS(Windows XP/Vista/7)専用でウイルス対策とボット/ルートキット対策を搭載する「ウイルスバスター Corp. Client」が1900円。機能はほとんど同じのサーバーOS専用版「Server Protection for Windows」は、より安価な900円となっている。
また、IDS/IDPやスパイウェア対策、Webレピュテーション、レポーティング機能なども搭載する「Client/Server Suite Premium」も用意されており、こちらは3300円となる。Client/Server Suite Premiumは、WindowsのクライアントOSとサーバーOSに加え、Mac OS XとOS X Server対応版も用意される。
なお、上記はすべて、1000アカウント購入時の1アカウントあたりの金額で、1年間のスタンダードサポートサービス料金が含まれている。2年目以降の利用には、1年ごとの契約更新が必要で、更新料は更新発注時に提示されている参考標準価格の50%となる。