今回は「夏休み特別企画」。今、流行(してるのか?)の「3D動画」にチャレンジ。といっても、メガネかけて3D対応テレビなんてハイテクなものじゃなく、なんと19世紀からある伝統の方法である。昔は「ステレオ写真」とか「立体写真」と言っていた。
まあ19世紀も21世紀も「3D写真」の理屈は同じ。
例えば、近距離にあるものを左目、右目それぞれ片方ずつで見ると、左右で微妙にずれているのがわかると思う。この視差が重要。
人間の両目の間隔はだいたい6~7cmなので、そのくらい横にずらして撮った2枚の写真を用意し、左目で左目用写真を、右目で右目用写真を見て、脳内で1枚に合成すると立体に見えるのだ。今の3Dメガネを使った3D映像も基本は同じ。
で、取り出したるは「ステレオ写真アダプター」。わたしが持っているのは10年以上前に購入した旧型だが、現在はペンタックスからデジタル対応の「ステレオアダプターDセット」(実売1万円前後)が売られている。
これを一眼のレンズに取り付けるのである。35mm換算で50mm相当のレンズ用に設計されているのでズームレンズの場合、APS-Cサイズなら35mmちょっと、マイクロフォーサーズの場合は25mmくらいに合わせる。
するとこんな写真が撮れる。
左が左目用、右が右目用の写真(平行法用のデータ)。平行法の場合、人間の目の都合上写真が大きいとうまくいかない。だから今回は写真もVGAサイズ。
画面上の左右の写真の距離(例えば、左と右の鼻先の間隔)が7cm以下が望ましい。ディスプレーによって幅何cmになるかは違うので、あまり大きく表示されるようなら少し縮小表示してもらいたい。
平行法の裸眼立体視に慣れている人なら、この写真をじっと見つめるだけでさっと立体的に見えてくるはずだ。見えづらいときは画面との距離を少しとるといい。
慣れていない人は厚紙や下敷きを1枚用意し、中央に当て、強制的に左目には左の、右目には右の写真しか見えないようにしてやるのがお薦め。L版にプリントして試してみてもOKだ(冒頭の写真も同様に)。
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