6月30日、データウェアハウス(DWH)アプライアンスを展開するネティーザは、同社の最新動向や新技術である高度情報分析について解説する記者発表会を行なった。
新アプライアンス「TwinFin」も好調
ハイエンド製品の投入も
米ネティーザCEOのジム・バーム氏は同社のアップデートやビジョン、そして新技術である高度情報分析について説明を行なった。ネティーザは、処理負荷の重いDWHの処理を専用ハードウェアで高速に行なうDWHアプライアンスの開発・販売を行なうベンダー。昨今、オラクルやマイクロソフトなども市場に参入し、大きく盛り上がりを見せている市場だ。
ネティーザのDWHアプライアンスでは、クエリ処理をディスクに近い部分でハードウェア処理することで、チューニングや面倒な保守作業を必要せず、すべての分析を既存に比べて10~100倍の速度で実行できる。製品は市場に先駆け2003年に投入し、現在グローバルで350社の顧客を持っている。また、既存の製品に比べて5倍高速な新アプライアンス「TwinFin」も好調で、450ユニットがすでに出荷されているという。
ネティーザは次のステップとして、Higher、Wider、Deeper、Unifiedという4つのキーワードからなるビジョンを、先頃行なわれたユーザーカンファレンスで明らかにしている。そして、バーム氏はこのビジョンに沿った新製品や新機能の投入、そして協業について説明した。
まずTwinFinのアーキテクチャを採用したアプライアンスとして、2月に発表された中小規模向けの「Skimmer」に続き、大型アプライアンス「Clauser」の投入を明らかにした。「TwinFinでは1PBまでスケールアップ可能だが、Cluaserでは10PBまでスケールアップできる」(バーム氏)とのことで、真のハイエンドDWHを目指す。
次に紹介された「Netezza Virtualizer」では、さまざまなサイトにあるデータを一元管理でき、統合的に扱えるという機能。クエリを複数のサイトにあるアプライアンスのうち、最適なアプライアンスに振り分けることが可能になる。
さらに新たなソフトウェアリリース6.0も紹介された。圧縮アルゴリズムの改良などにより、パフォーマンスとキャパシティを倍増し、管理性も増している。iClassと呼ばれるより高度な分析機能も追加される。「既存のレポーティングやBIが過去の結果にこだわっているのに対し、予測分析では将来を分析できる。そして、よりよい選択を実現する最適化を目指すのが、大量なデータと膨大な計算を融合させたiClassになる」(バーム氏)とのこと。意思決定の精度をますます高められる技術として注目される。
最後に紹介されたのが、2月に発表されたNECとの協業。この協業では、NECのサーバーとストレージに、ネティーザのソフトウェアとデータベースの高速化分析技術を組み合わせた「NEC Infoframe DWH Appliance」として結実しており、すでに数社の導入事例があるという。