3月9日、米シスコシステムズは322Tbpsという伝送容量を実現した通信事業者向けルーター「Cisco CRS-3 Carrier Routing System」を発表した。次世代のインターネット基盤として、ビデオ、モバイル通信、オンラインサービスの急増などの状況に応えるために開発されたという。
322Tbpsという伝送容量は2004年に発表された「CRS-1」の3倍の伝送容量を誇る。「米国議会図書館の全刊行物をわずか1秒強でダウンロードできる」「中国の大人から子供まで全員が同時にビデオ会議を行える」「これまでに制作された全映画作品を4分足らずで伝送することが可能」といった途方もないキャパシティを実現していることになる。
6つのチップを1つに統合した「Cisco QuantumFlow Arrayプロセッサ」を搭載。消費電力も大幅に引き下げたという。また、レイヤ3~7の情報を提供する「Network Positioning System(NPS)」やCisco Nexusなどとの連携により、各ITリソースの従量課金も可能になった。さらに既存のCRS-1のシャーシや冷却ファン、電源などは再利用でき、ラインカードとファブリックを追加するだけで、利用可能になっている。
製品は現在AT&Tなどによるフィールドテストを行なっている。価格は9万米ドルとのことだ。