家庭やビジネスで無線LANが使われるようになって約10年。その間、ワイヤレス通信の接続速度は11Mbps(802.11b)から54Mbps(802.11a/g)へと高速化された。さらに802.11nが策定されると、MIMOでの多ストリーム対応によって130Mbps、ガードインターバルの短縮や2チャネル分(40MHz)の帯域使用によって、300Mbpsの通信速度が実現している(11n規格そのものは600Mbpsまで規定)。
300Mbps対応製品が2008年ごろから普及し始めたこともあって、いまや高速接続性だけに無線LAN製品の付加価値を見出すのは難しい。では、今回紹介するバッファローの無線LANルーター「WZR-HP-G301NH」は、どのようなアピールポイントを持っているのだろう。
特徴的な可変アンテナを搭載したスリムな無線LANルーター
性能とはあまり関係しないポイントに、家庭向けルーター製品の外観デザインがある。それほど目につく場所に設置するものではないため、美しく着飾っても意味が薄いからなのだが、実は放熱効率やホコリの進入防止など、もっと考えられてよい部分でもある。また、縦/横置きが可能かどうかの設置自由度、各インジケータランプの視認性などにも注目すべきだろう。
その点WZR-HP-G301NHは、より洗練されたデザインを採用している。同社の無線LAN製品の中でも、ハイエンド製品の「NFINITI」と高出力(高速)製品の「HighPower」という2つのブランドを冠した製品となっており、NFINITIシリーズに共通なブラックでスリムな外観を持つ。同梱のスタンドを付けての縦置きや、左側面の設置足を利用しての横置きが可能で、動作状況を示すインジケータも見た目でわかりやすいアイコン状のランプとなっている。
外観上で特徴的なのは、本体上部の可変アンテナだ。MIMO対応のWZR-HP-G301NHでは、都合3基のアンテナを搭載するが、そのうち2つを本体上部に取り付け、角度や向きを調整できるようにしている。下位機種の「WHR-HP-G300N」でも同様の可変アンテナ機構を取り入れていたが、WZR-HP-G301NHではより一体化したデザインに変更された。
同社では、アンテナの角度や向きを調整することで、最適な電波環境を作り出すことができるとしているが、個々のアンテナにどのような指向性があるのか例示されていないので(設置場所周囲の状況に大きく影響されるため)、実際にはいろいろと試すしかない。無線LANルーター(親機)側の機能として、各子機からの電波強度変動をリアルタイム表示するような、可変アンテナの特徴を活かす機能がほしいところだ。
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