2月27日、東京・日野の明星大学にて、インプレスビジネスメディア主催の技術者向けイベント「インストールマニアックス3 Hyper-V祭り」の決勝大会が開催された(関連記事)。これはOSS(Open Source Software)のインストール技術を競うというもので、会場に設置されたマシンに、制限時間(2時間)内でWindows Web Server 2008 R2をインストールし、さらにいくつのOSSをインストールできるかというコンテストだ。3回目となる今回は、全国から550名が応募した予選大会の末、勝ち抜いた7人の選手が決勝戦に臨んだ。
今回、決勝戦に進出したのは名誉ある7名の戦士は以下のとおりだ(数字は枠順)。
- 64(東京都:草薙 諭氏、予選総合1位)
- Jkudo(北海道:工藤 淳氏、予選総合2位)
- たか(東京都:田口一博氏、予選総合3位)
- Kazumix(福岡県:広瀬一海氏、予選総合4位)
- Ryuzee(神奈川県:本名非公開、予選総合5位)
- こまちむ(神奈川県:柘植英一氏、予選総合6位)
- Takashi(岐阜県:三浦剛史氏、前回チャンピオン)
競技ルールはとにかくインストールしたOSSの数を競うというものだが、事前に用意したインストール・スクリプトの使用は禁止。IIS以外のWebサーバーも使用禁止(大会スポンサーがマイクロソフトなので)。ただし、OSインストール後にスクリプトを組むこと、自宅や大学のサーバーなどに記録したドキュメントへのアクセス、Microsoft Web Platform Installer(OSSのダウンロードとインストールの手間を大幅に低減・自動化するプログラム)の使用は認められている。
開始直後は、嵐の前の静けさ
――20分過ぎからOSSとの壮絶な格闘が始まる
入場した選手はそれぞれのマシンの前に着席。コンテストに使われるマシンは、NEC製のPCサーバー「NEC Express 5800/S70」で設置直後のようなクリーンな状態。そこにOSとして「Windows Server 2008 R2」のディスクが配布される。
「スタート」の掛け声とともに選手たちは一斉にディスクをセットし、インストールを開始する。以後約20分はOSのインストール作業となり、選手たちの動きはほとんどなく、見学者にとってもしばしのトイレ休憩タイムとなる。15分を過ぎたあたりからマシンが次々と再起動し、選手たちが慌ただしくOSの設定を始める。
特に、最初にInternet Explorerのセキュリティレベルを下げるのが肝心で(OSSのダウンロードや情報収集のため)、さまざまなサイトからOSSをダウンロードするのにセキュリティに引っかからないようにするのがポイントになっているようだ。
選手の多くが、予選で作成したドキュメントを参照しつつ、さまざまな関連サイトを開いてOSSのダウンロードに入る。中にはFirefoxやGoogle chromeをインストールして、Webブラウザーでの作業を普段使い慣れたものに変更している選手も見られた。
選手のほとんどはまずMySQLの組み込みから手を付けていた。スタンドアローンPCのアプリケーションと違って、OSSはサーバー用ソフトウェアが多い。そのため、MySQLデータベース上で動作するツールを多数組み込むことが戦略の要になっているようだ。
20分を過ぎたあたりから「(最初の)OSSインストール完了」の挙手が始まった。今回、OSSを単にインストールするだけでなく、きちんと動作していることをジャッジが確認するルールになっているため、逐次大会スタッフが駆け寄ってデータなどが入力できているのを確認していく。
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