iPadは“巨大なiPhone”
アプリの多様化は早い?
先日、feedpath face to face Round Table vol.3 feat. ngi groupというiPhone活用術に関するイベントで、iPhoneアプリを多数手がけるフリープログラマーである森 琢磨さんとご一緒してきた。
ここでiPadについて触れた森さんは、開発者の目線から、次のようにiPadを語った。
「『iPadは巨大なiPhone』以上。この説明で済んでしまう点が素晴らしい。アプリ開発にも非常に親和性が高い。大きく違うのはスクリーンサイズで、広い画面でタッチオペレーションが可能。またPC並のより高度なUIが使えるようになる」(森氏)
これまでiPhoneのアプリ開発をしてきたプログラマーは、新しいSDKにアップデートして、UIにさえ慣れてしまえば、すぐにiPadアプリを作り始めることができるだろうとのことだ。それ以前に、iPhoneアプリはiPadでそのまま動くため、iPadにははじめから14万本以上のアプリケーションが利用可能なのだ。
森氏はiPadアプリのアイディアとして、会議をペーパーレスにするアプリと、キーボードが苦手な人向けの物書きアプリを提案していた。画面の大きさを生かした、iPhoneでできなかった紙の再現や、ユーザーインターフェイスのデザインは、先に述べたパソコンにもケータイにも慣れていない人にとってフィットしそうだ。
iPadはノマド・ワークに対応できるか?
さて、iPhoneがある生活に話を戻すと、すでにiPhoneとMacを使っている僕にとって全く関係ないのだろうか。
僕はiPadでiWorkが動くことがわかったとき欲しいと思った。
たとえばちょっとしたインタビューや原稿書きにはPagesが利用できるし、大学の授業はKeynoteに資料を用意しておけば、iPadからプロジェクターに映し出して十分対応することができる。つまり、ノートパソコンを持ち歩く日を大幅に減らすことができそうなのだ。
もちろん出先で使っているアプリケーションはiWorkに含まれるモノだけではない。どんなアプリケーションがiPad向けに出回るかによって、さらにノートパソコンを持ち歩かずにノマド・ワークできる日が増えていくかも知れない。
森さんが語ったようにiPadの画面サイズの拡大により、PC並のUIを備えるアプリが作れるようになった。自分が出先でどんなアプリケーションを使っているか、一度行動を振り返り、そのアプリケーションがiPad向けにそろっていれば、iPadでも十分仕事ができる。
あとは、入力インターフェイスの使い勝手がどれだけのものか、検証する必要があるが、手に入れたらじっくり使った上で詳しく紹介したいと思う。
筆者紹介──松村太郎
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。嘉悦大学、ビジネスブレイクスルー大学でも教鞭をとる。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。スマートフォンに特化した活動型メディアAppetizer.jp編集長。自身のウェブサイトはTAROSITE.NET。
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