Device Stageの開発は簡単?
マイクロソフトでは、Device Stageのプラットフォームを提供している。周辺機器ベンダーはデバイスドライバーをインストールする時に、Device Stageに対するメタデータを同時にインストールするだけだ。これで、Device Stageに自社周辺機器のページが追加される。
このメタデータ自体はXMLで作成されているので、周辺機器ベンダーにとっては難しい開発ではない。Device Stageのレイアウトも基本フォーマットがあるため、必要なテキストや画像、リンク先などのデータをメタデータとして用意するだけでOKだ。つまりプログラムというよりも、ウェブページの作成に近い作業だ。
ただし、Device Stageのメタデータは、マイクロソフトによって管理されている。「Windows Online Quality Services」(Winqual)により、メタデータの内容を検証し、デジタル署名がされてから配布することになる。そのため、開発者が好き勝手にDevice Stageを利用したり、個人ユーザーが自分の好きなように作り替える、ということはできない。
Device Stageの問題点
Device Stageは周辺機器に対するドキュメントやアプリケーションに対する入り口でしかない。つまり、Device Stageの時点では統一されたデザインになっているが、個別のアプリケーションを起動した時点で、周辺機器ベンダーが開発したアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)に切り替わってしまう。しかたのないことではあるが、メーカーによってデバイス操作のUIが異なっているのは、ユーザーにとってはわかりにくい。
また、Device Stageには製品の画像が表示されているが、これも単なるイメージとして表示されているだけだ。例えばプリンターの状態をDevice Stageの画像が表したり、インク切れが起こったときに、PDFのドキュメントを参照させるのではなく、FlashやSilverlightなどの動きのあるアニメーションでインクの交換の仕方を説明してくれたりすれば、より使いやすくなるだろう。
周辺機器ベンダーでも、こういった機能を持つ専用アプリケーションを提供している。せっかくDevice Stageという場が提供されたのだから、ここにアクセスした時点で、周辺機器の状況が判るような双方向性があれば便利になる。
またDevice Stage本来の機能とは異なるが、周辺機器ベンダーのドライバーやアプリケーションのアップデートを自動的に行なえるような標準的なプラットフォームがあればと思う。マイクロソフトが、WindowsUpdateで提供しているようなプラットフォームを周辺機器ベンダーに提供すれば便利になると思う。
もうひとつ日本での問題点としては、ポータブルメディアプレーヤーや携帯電話が、Device Stageに対応していないことだ。
Windows 7では、メディア転送プロトコル(MTP)がサポートされている。この機能を使えば、パソコンに保存されている音楽や動画を簡単にポータブルデバイスに転送できる。データ転送時にデバイスに合わせて、トランスコードすることもできる。パソコンに保存されている動画のフォーマットがポータブルデバイスが対応するものと違っていても、変換して、ポータブルデバイスに転送してくれる。こういった便利な機能が、日本製のデバイスでサポートされていないのは残念だ。
Device StageはWindows 7でサポートされたばかりなので、今のところ100%活用されているとは言いづらい状況だ。しかし次世代のWindows 8ではさらに修正されていくだろうし、Device Stageが持つ機能も拡張されてくるだろう。今後の発展に期待したい。
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