そろそろクリスマスや忘年会など「パーティー」の季節。ツリーをバックに微笑む彼女から、頭にネクタイを巻いて踊る上司まで、何かとデジカメで押さえたいシーンもあるだろう。
デジカメで撮影する際、シーンモードに登録されている「パーティーモード」などを使うのが一般的だと思う。今回は、各社のパーティー向けのシーンモードにはどんな違いがあるのか、パーティー撮影に強そうな5機種のデジカメで試してみた。
キヤノン「PowerShot S90」
従来の「PowerShot S」シリーズの後継ではない、まったく新しい形で登場した「PowerShot S90」(以下S90)。レンズは28-105mm(35mmフィルム換算)F2.0-F4.9 という「レンズシフト式手ブレ補正」付き光学3.8倍ズームを搭載。
1/1.7型の有効約1000万画素CCDセンサーと映像エンジン「DIGIC4」の組み合わせで、撮影感度はISO 80~3200(ローライトモード時は最高ISO 12800まで。記録画素数は250万画素に固定)。このあたりの機能は同じPowerShotシリーズの最上位機種である「G11」とレンズの性能以外は似ている。
しかし、コンセプトの違いによりS90ではレンズが沈胴式になり、コンパクトでスタイリッシュなデザインになっている。そのレンズ周囲にある「コントローラーリング」は初期設定ではステップアップズーム機能として操作できる。さらに、ISO感度設定やWB補正機能など9つの機能を割り振ることができる。
ポップアップストロボは明るさに応じて自動昇降するようになっている。撮影モードは「オート」「プログラム」「マニュアル露出」など合わせて8種類。今回はそのうちのスペシャルシーンモード内の「パーティー」を使用した。
ソニー「Cybershot DSC-WX1」
ソニー独自開発の裏面照射型CMOS「Exmor R」(1/2.4型有効1020万画素)を搭載。CMOSセンサーならではのハイスピードと裏面照射の低ノイズを両立させた。さらに画像処理エンジン「BIONZ」により、画像の高速処理と美しさを追求している。
撮影感度はISO 160-3200まで設定が可能。「Dレンジオプティマイザー」によって逆行などの明暗差の激しいシーンでも黒つぶれ白とびを軽減。レンズは24-120mm(35mmフィルム換算)F2.4-5.9光学5倍ズームレンズを搭載。
撮影モードは「おまかせオート」を含め8種類。そのうちの「シーンセレクション」には11種類の撮影シーンモードが登録されている。ちなみに、本体の顔検出・笑顔検出技術を利用して被写体の顔を見つけ出し自動撮影をする「Party-shot」(下のコラム参照)に対応している。
今回のテストでは「パーティーモード」と呼ばれる機能がないため、似た機能としてシーンセレクションの「夜景&人物」を使用して撮影した。
ソニー Party-shot IPT-DS1
Party-shot(実売1万5000円前後)は、「DSC-WX1」または「DSC-TX1」と組み合わせることで自動撮影をしてくれる別売のアクセサリー。自動的にパン(回転)・チルト(角度調整)・カメラのズーム動作をParty-shotが行なう。カメラ側は搭載された顔検知と笑顔検知の機能を使用して人物の顔を見つけ出し、構図とタイミングを見て自動で撮影する。カメラをParty-shotに取り付けた後は、本体のメニューボタンを押してパンの角度や撮影頻度などを変更可能だ。
本来であればカメラを意識しない自然な表情を撮影したいところ。しかし、今回のテストで使用したときは、その珍しさや動きがコミカルに見えてしまうため、いつの間にかみんなパーティーショットを見つめていて、カメラが自分の方へ向いたとたん撮ってもらおうとピースサインをしてしまうことがしばしば。存在感が薄れるまでの時間が必要そう。
あと、設置位置もそこそこ重要で、あまり低い位置だと鼻の穴が目立って写ってしまう。胸くらいの位置で少し人物から離れた(2~3mくらい)場所が好位置だ。