今回採り上げる機種は、パナソニックの「Let'snote S8」(以下S8)だ。レッツノートはいまや、日本のモバイルノートの中でも中核的な位置を占める存在であるが、その最新モデルでWindows 7モデルのひとつが、今回試用するS8である。レッツノートとしては久しぶりの新ラインナップであるこの製品は、これまでのレッツノートとはちょっと違う特質を備えている。
S8は「7世代の定番」となり得るか? チェックしてみよう。
ワイド画面搭載で新シリーズにチェンジ
レッツノートS8は、光学ドライブ付きレッツノートとして人気だった「レッツノートWシリーズ」の後継モデルにあたる。Wシリーズのアイデンティティーであった、「シェルドライブ」と呼ばれる右サイドへの光学ドライブ搭載は変わらず、ディスプレーを4:3タイプからワイドタイプへと変更したのが、外観上の大きな変更点といえる。
そういう意味では「完全新モデル」なのだが、見た目のイメージは、良くも悪くも変わっていない。最近は薄型の製品が話題になることが多いが、決して薄型のモデルとは言えない。だが、「いかにも堅牢そう」なボディデザインと、それにも関わらず軽量という「レッツノートらしさ」は、そのまま維持されている印象だ。唯一ディスプレーパネル部が、CCFLからLEDにバックライトが変更された関係もあり、大幅に薄くなっているようだ。とはいえ、薄型重視モデルにありがちな「不安になるほどの薄さ」を追求しているわけではなく、見た目からしてとても「頑丈そう」だ。
だが、印象が大きく異なる部分もある。それは「文字の大きさ」と「キータッチ」だ。12.1型のパネルサイズは同じだが、4:3からワイドになったことで、画素のサイズは大幅に小さくなっている。ドットピッチで比較すると、12.1型ワイドは10.1型4:3に近い。すなわち、画面の印象は10.1型を使っている「レッツノートRシリーズ」に近づいた、ということになる。4:3タイプのWシリーズ・Tシリーズは、モバイルノートとしては「文字が大きく表示される」ことが魅力であったため、その点ではマイナスといえるかもしれない。
キーのレイアウトやデザインはさほど変わっていないように見えるが、タイプした時の感触は、以前のレッツノートに比べるとスムーズで「かっちり」した印象を受ける。だが打鍵音は小さく、指先だけで「押した」感じがしっかり伝わって心地よい。個人的には、これまでのレッツノートのキータッチは好きでなかったが、S8のタッチ感は好ましく思った。
インターフェース周りを見ると、レッツノートの「コンサバさ」がひしひしと感じられる。最近では利用頻度も少なくなったPCカードスロットもきちんとあるし、USBも左右に振り分けた形で搭載されている。HDMI出力が搭載されるようになったが、もちろんプレゼン用にアナログRGB出力もある。やはり「仕事に必要なものは全部ある」のは安心だ。
他機種とちょっと異なるのは、フロントに無線スイッチやヘッドホン端子があるところだ。抜き差しやスイッチ操作を、左右の人にぶつかることを気にせず行なえるため、特に飛行機のエコノミークラスや新幹線の席などで、パソコンを使う時に便利だ。設計上の理由もあるのかもしれないが、おそらくは設計側の「狙い」だろう。
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