10月15日、16日の2日間、池袋のサンシャイン文化会館において「第13回 ネットワーク工事機材展」が開催された。主催は株式会社リックテレコム 月刊テレコミュニケーション編集部で、「データセンターファシリティフォーラム 2009」も併載された。ここでは写真を中心に展示内容を紹介する。
ケーブルはCAT.6Aに本格移行
流行はエコと細径
今回のネットワーク工事機材展は「光/IP時代のビジネス機会を拡大する配線工事の専門展示会」を謳っており、文化会館2Fの展示ホールにおいて幅広いベンダーが製品を展示していた。
展示の中心になるのは、銅線や光ファイバなどのケーブルやパッチパネルなどの配線システム、ラック、キャビネット、テスタなど。ケーブルや配線システムに関しては、10GbEにも対応するCat.6A(カテゴリ6オーギュメンテット)が本格的な普及期に入っているということで、各社かなり力が入っていた。
製品のトレンドはずばり「エコ」。環境負荷の小さいエコマテリアルの採用からパッケージの小型化まで、各社がいろいろな試みを行っていた。また、扱いやすく、収容密度の高い「細径(さいけい)」というのも、電設業者にとって魅力的な特徴となっている。とはいえ、高周波数対応するケーブルでは、隣接するケーブル同士の漏話を抑制するためのシールドが必要になるため、ケーブルは太くなりがち。これを細径にしていくのは、大きなチャレンジのようだ。
東日京三電線は束ねたケーブルから引き出しやすいCat.5Eケーブル「EM-NETSTAR-C5E」を展示。外径4.9mmと細径。エコのため、ボックスも小型化した
同じく東日京三電線の「タフキング」は台車で乗っても大丈夫という強度が売りの光ファイバケーブル。曲げ半径もR15を実現したという
以前紹介した冨士電線の細径ケーブル「eco-patch」。IIJの子会社であるネットチャートとのコラボレーションにより従来のパッチコードに対して、配線用ユニットが不要になっている
冨士電線はCat.6Aの細径ケーブルも展示。eco-patchとお案じ区PoEにも対応する
通信興業は色鮮やかな細径UTPケーブル「S-CordV1-MP」を展示。外径3.2mmで、コード色は13色ある
無線や地デジ関連、デジタルサイネージも
その他、今年はKVMスイッチやメディアコンバータ、無線系の通信システム、デジタルサイネージ、地デジ関連機材まで展示されており、工事機材にとどまらない幅広い内容であった。こちらも写真でご覧いただこう。
メディアコンバータ専業のトランシジョンネットワークスを扱うPSIブースでは、大量のメディアコンバータや局側装置が展示されていた。管理機能を削った代わりに大幅な小型化を実現したモデルも展示
東京めたりっく通信を創業したことで知られるソネットは、ベルエアの広域無線LAN製品を展示。米ミネアポリスやカナダのトロントでは市全域がベルエアーの無線LAN網で覆われているという
初参加の東陽テクニカは今年4月から扱い始めたフルークネットワークスのネットワークアナライザ「OptiView」や「EtherScope」を展示
同じく東陽テクニカのブースではASCII.technologiesの連載でも使われている「AirMagnet WiFi Analyzer」も展示されていた
ザ・シーモン・カンパニーはデータセンター向けのCat.6A配線システム「Z-MAXシリーズ」を展示。通常利用する15mのパッチケーブルでは長すぎるため、3mのトランクケーブルを採用することで高密度実装を可能にした
ツメの破損を避けるため、ブーツを引くことでコードの抜き差しが容易にできるというラッチレスケーブル。ポート密度が高いスイッチ等でも、指を奥まで入れないでも抜き差しできるので作業も容易になるという