映像処理専用のプロセッサーを搭載
東芝「Qosmio G50/98J」
東芝の「Qosmio G50/98J」は、AV機能を充実させた同社のハイスペックノート「Qosmio G50」「同F50」シリーズの最上位製品である。
地デジの視聴をはじめとする映像の表示を特に強く意識したノートで、ディスプレーにはフルHD解像度の18.4型ワイド液晶パネル「Clear SuperView液晶」を採用する。テレビチューナーは地デジ対応のテレビチューナーを2基内蔵。スピーカーにはHarman/Kardonのステレオスピーカー+サブウーハー(本体底面側)を装備する。さらに、映像処理のための専用プロセッサーとして「SpursEngine」(スパーズエンジン)を搭載する。
パソコンとしてのスペックはCPUがCore 2 Duo T9550(2.66GHz)で、メモリーは4GB。グラフィックス機能はGeForce 9600M GT。HDDは320GBを2台内蔵し、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブといった構成だ。
ボディーデザインは、艶のあるブラックを基調としたカラーリング。使用時にはスピーカー周辺部やスライドパッドの周辺が白く光るギミックを持つ。
録画したい番組が多くても安心
H.264の長時間録画モードをサポート
Qosmio G50/98Jの魅力は、SpursEngineにより実現するさまざまな機能にある。今回特に注目したい機能が、「長時間録画モードのサポート」「映像の解析」だ。
長時間録画モードは、録画形式としてH.264を用いる高圧縮録画モードだ。ハイビジョン番組の解像度を維持したまま記録できる「XP」「SP」「LP」の3モードと、SD解像度に変換して記録する「EP」の合計4モードがある。ビットレートはXPが約10Mbpsで、EPは2Mbpsと地デジ本来の約17Mbpsの8分の1以下になる。
画質について簡単に触れると、XPは動きの激しいシーンでも破綻を最小限に抑えることができるモードで、一部のスポーツ中継を含めた幅広い番組の録画に使用できる。SPはXPと比較すると細かい表現が潰れがちとなるが、動きの激しくないドラマなどなら許容範囲だろう。LPになるとビットレートが大幅に低くなることから動きのあるシーンは厳しくなる。ニュースや情報番組に使う程度ではなかろうか。EPはSDビデオなので画質はほかと比較すると大きく見劣りしてしまう。EPを使うならLPを勧める。
地デジのハイビジョン番組は約17Mbpsなので、1時間録画すれば7.5GBほどになる。それがSPモードを用いればファイルサイズを半分以下の3.6GB程度に圧縮できるわけだ。長時間録画モードは大量の番組を録画したい人にとって大きな魅力といえよう。
もうひとつの機能「映像の解析」とは、録画中に登場人物の顔やシーンを検出し、その情報を映像とともに記録する機能だ。再生時に「顔deナビ」機能を使うと、番組内で顔やシーンのリストが表示される。そこから見たい人物を選ぶと、そのシーンへと即移動できるのだ。シーン移動に大変重宝する機能である。
Qosmio G50/98Jはこのほかにも、SpursEngineによってDVDビデオやYouTubeの低解像度ビデオを、高精細なHDビデオ相当に変換表示する「超解像技術」などを実現している。超解像技術を実際に試したところ、DVDビデオの再生では輪郭線が補完されるとともに、色調や明暗についてもはっきりと表現するよう調整され、美しい映像を堪能できた。YouTubeのビデオでは、映像により機能しないこともあったが、その場合には使わなければいい。映像をできるだけ高画質で楽しみたい人には実に興味深い機能といえよう。
Qosmio G50/98J の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core 2 Duo T9550(2.66GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | GeForce 9600M GT(メモリー512MB) |
ディスプレー | 18.4型ワイド 1920×1080ドット |
HDD | 640GB(320GB×2) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n(Draft 2.0) |
カードスロット | ExpressCard/54、ブリッジメディアスロット(SD/SDHCメモリーカード、メモリースティック/PRO、xD-ピクチャーカードなどに対応) |
インターフェース | USB 2.0×4(うち1はeSATA共用)、IEEE1394、HDMI出力、アナログRGB出力、光デジタルオーディオ出力(丸形)、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅約452.×奥行き311.0×高さ38.2~48.3mm |
質量 | 約4.9kg |
バッテリー駆動時間 | 約4時間 |
OS | Windows Vista Home Premium SP1 32bit版 |
価格 | 30万円弱 |
この連載の記事
-
第5回
PC
デカノートをもっと楽しく快適にするアクセサリー -
第4回
PC
どれを選ぶ? 安くとも個性が光る低価格デカノート -
第3回
PC
Blu-rayもこってり楽しめる「AVデカノート」 -
第2回
PC
迫力のゲームを堪能するゲーミングデカノートを選ぶ! -
PC
大きな画面ででっかく楽しむ!魅惑のデカノート特集 - この連載の一覧へ