オープンエア型ヘッドフォンでサラウンド効果を高めたRP-WF6000
パナソニックの「RP-WF6000」(実売2万3000円前後)は、今回紹介した3機種の中で唯一、2.4GHz帯を使った無線伝送方式の製品だ。赤外線伝送方式に比べ遮蔽物に強く、たとえばAVラックにしまい込んでも使えるのはメリットである。
ただし同じ2.4GHz帯を利用しているIEEE 802.11b/gやデジタルコードレス電話、あるいは電子レンジなどと干渉することがある。今回無線LANとの干渉は特に感じられなかったが、電子レンジを利用すると音が途切れてしまった。このあたりは注意する必要があるだろう。
入力端子は光サウンド(角形)端子が2系統と、アナログのステレオピンジャックが用意されている。また光サウンドの出力端子もあり、AVアンプなどにスルーすることも可能だ。サラウンドフォーマットは「Dolby Digital Surround EX」「DTS-ES」「MPEG-2 AAC」に対応、Dolby ProLogic IIも搭載している。
横置き型のトランスミッターは、ヘッドフォンをセットして充電することが可能。ユニークなのは、ヘッドフォンに2カ所、トランスミッターとの接点があり、ヘッドフォンを立てた状態と寝かせた状態のどちらでもセットできること。
トランスミッタの上部に余裕があれば立てて、AVラック内などスペースがなければ寝かせてセットできるわけだ。こうした細かい点にも配慮されているのは好感が持てる。
ヘッドフォンはオープンエア型で、50mmの大口径ドライバを利用している。電源のオン/オフは自動で行なわれるため、電源を入れっぱなしにして電池を無駄に消費することはない。ヘッドフォンの締め付けは今回試用した3製品の中でもっとも緩い。そのためリモコンを操作するために手元を見るなど、首を傾けると位置がずれるのが気になった。
左のハウジング内に電池が納められており、バッテリー駆動時間は付属の単3型充電池で約8時間、単3型アルカリ電池で約6時間となっている。音量調整は、右側のハウジング下部にあるシーソー式のスイッチで行なう。
サラウンドモードは、音楽再生に適した「MUSIC」、臨場感を高める「CINEMA」、そしてスポーツ観戦などでアナウンサーや解説者の音声を聞き取りやすくする「VOICE」の3つが用意されている。
CINEMAにして聴いてみたところ、オープンエア型ということもあって音の広がりがよく、それによってサラウンド感をさらに増している。音に包まれる感覚は今回の3製品の中ではもっとも強く、また個々の音の方向も感じ取れる。
音質は全体的に中低音に厚く、高音が抜けきらない印象がある。その辺りが好みの分かれるところではないだろうか。
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