クリアな音質でソースを選ばず活用できるSE-DIR800CII
パイオニアの「SE-DIR800CII」(実売2万円前後)も伝送方式は赤外線で、到達距離は約8mとなっている。入力は光サウンド(角形)と同軸端子、そしてアナログのステレオピンジャック端子、さらに有線用のヘッドフォン出力端子を備える。ただし光デジタルの出力端子はない。対応するサラウンドフォーマットは、「Dolby Digital Surround EX」「DTS-ES」「MPEG-2 AAC」で、「Dolby ProLogic II」も利用できる。
トランスミッターは横置きで、上部に電源ボタンやサラウンド及びDolby ProLogic IIのオン/オフボタン、入力切り替えボタン、出力レベルの調整ダイヤルが並ぶ。なお正面のインジケータにより、現在入力されているサラウンドフォーマットやDolby ProLogic IIでどのモード(MOVIE/AUTO/MUSIC)を選んでいるのかが分かる。
トランスミッター上部のフタを開くと単3電池の充電器が現れる。MDR-DS4000ではトランスミッターに本体を置くだけで充電が可能だったが、SE-DIR800CIIではヘッドフォンから充電池を取り外し、ここにセットして充電するという方式である。
付属の単3型ニッケル水素充電池を使用した場合、フル充電で約20時間利用可能とバッテリー駆動時間は長いものの、毎回ヘッドフォンから充電池を抜いてレシーバにセットするのは面倒だ。できれば予備の充電池を用意しておいてトランスミッターにセットしておき、ヘッドフォンの充電池が切れた時点で切り替えるような運用がベストだろう。
ヘッドフォンは40mm口径のドライバを利用した密閉型。締め付けは若干きつめだが、その分安定感があり、多少頭を動かしてもずれることはない。またヘッドバンド方式で、微調整が不要なのも嬉しいところだ。右耳側に大きめで調整しやすい、音量ダイヤルがある。
サラウンドエンジンとして使われている「Dolbyヘッドフォン」は、その効き具合を3段階に設定できる。もっとも効果の弱い「DH1」モードではちょっと音場が広がったかなという程度の印象だが、「DH2」にするとサラウンド効果が確かに実感できる。Dolbyヘッドフォンをオフ、もしくはDH1では、耳の横で鳴っているように感じる音が、DH2では遠近感が生まれてグッと奥行きが広がってくる。DH3にするとさらにそれが強調されるが、同時に明瞭さが失われ、音もこもってしまう。ソースによっても変わるが、バランス的にはDH2がちょうどよい。
音質は低音から高音まで均一に鳴っている印象で、また個々の音がしっかり分離していて細かな音でもしっかり聞き取れる。人によってはもう少し低音に迫力が出ればとも思うかもしれないが、むしろバランスがよく、ソースを選ばないメリットの方が大きいのではないだろうか。
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