周辺機器とパソコンをWiFiで簡単無線接続
「Intel My WiFi Technology」
インテル自身の製品ではないが、基調講演では同社が開発したさまざまな新技術も披露された。中でも注目なのが、「Intel My WiFi Technology」と呼ばれる無線通信技術だ。
無線LANと言えば、パソコン同士やパソコンと無線LANアクセスポイントのネットワーク接続に使うのが当然だが、My WiFi Technologyでは、パソコンとデジタル家電の間を無線LANでつないでしまおうというものだ。
例えば無線LAN内蔵デジタルカメラとパソコンを無線でつなぎ、撮影した写真を直接パソコンに転送したり、パソコン側にある画像を無線LAN内蔵デジタルフォトフレームに転送する、といった使い方がデモで披露された。
技術的な詳細は語られなかったが、デモを見る限り、無線LAN機能内蔵のパソコンをソフトウェアで擬似的な無線LANアクセスポイントに見せかけて、そこに無線LAN内蔵機器を接続させる……といった仕組みを取っているようだ。講演会場にあったデモ機では、デジタルカメラやフォトフレーム以外に、プリンターも接続されていた。
My WiFi Technologyは前ページで紹介した超低電圧版の新チップセットなど、Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー対応ノートパソコンで使えるようになる予定だ。提供時期や方法は不明。
Androidアプリも動く!?
ネットブックOS「Moblin 2.0ベータ」
既存のネットブックのほとんどは、OSにWindows XPを搭載しているが、インテルでは低スペックなネットブックでも快適なパソコン体験を得られるように、LinuxベースのOS「Moblin」の開発に協力している。
Moblinは元々、Windowsを動かすにはスペックやユーザーインターフェース面で制約の多いMID向けとして、インテル主導で開発されていた。現在では管理をインテルから、非営利団体のLinux Foundationに移管したものの、開発を主導していることに変わりはないようだ。
講演で披露されたMoblinの最新版「Moblin 2.0ベータ」は、MID用からネットブック用へと軸足を変えたうえで、ネットブックでも(比較的)リッチなインターネット体験を得られることを目標としている。ウェブブラウジングやFlash再生機能を備え、Adobe Airにも対応するMoblin 2.0を、インテルはWindows 7 Starter(ネットブック向けのWindows 7のエディション)よりもベストなOSと述べている。
さらにMoblin 2.0ベータでは、Googleの携帯電話向けOS「Android」用のアプリケーションを実行する機能も搭載されている。講演中のデモで披露されたのは、非常にチープなアプリケーションだけだった。しかし、今後の普及が期待されるAndroidのアプリケーションがMoblin搭載ネットブックで簡単に使えるようになると、非Windowsのネットブックもまた面白い存在になるかもしれない。
この連載の記事
-
第21回
ケース
COOLERMASTER、注目はPLC対応電源! -
第20回
ケース
Lian-Liの新作はツールレスケースが多数 -
第19回
ケース
SilverStone、新作PCケースは90度回転レイアウト! -
第18回
PC
これは欲しい! COMPUTEXで見た日本未発表パソコン -
第17回
PCパーツ
容量重視?速度重視? 各社がSSDとDDR3で大バトル! -
第16回
PCパーツ
物欲大爆発!? アキバで話題になりそうな製品はどれだ? -
第15回
PCパーツ
創立10周年のThermaltakeが見せた本気とは? -
第14回
ゲーム・ホビー
続・Computex会場で見かけたコンパニオンアルバム! -
第13回
ケース
Corsair、ついにPCケース市場に参入! 初モデルはフルタワー型「800D」 -
第12回
PCパーツ
ホットな新製品で市場を牽引するASUS、GIGABYTE、MSI、Shuttle! -
第11回
PC
台湾でも盛り上がりつつあるWiMAXをチェック - この連載の一覧へ