ブロケード コミュニケーション システムズ(以下、ブロケード)は、旧ファウンドリーネットワークス(以下、ファウンドリー)製品をベースにした10ギガビットEthernet(10GbE)スイッチやアプリケーションスイッチを発表した。IP+Ethernet系の製品を拡充し、データセンターやエンタープライズマーケットの覇権を狙う。
幅広い市場に対応する
旧ファウンドリー系の新製品
冒頭、ブロケード コミュニケーションズ システムズ システムエンジニアリング統括部長 小今井裕氏はブロケードの近況と市場戦略について説明した。古くからファイバチャネルベースのSANスイッチを手がけてきたブロケードだが、ファウンドリーネットワークスの買収を経て、昨年からIPネットワーク系の市場にも進出。現在ワールドワイドで3950名の従業員を抱えているという。今回発表するのはデータセンター、エンタープライズ、サービスプロバイダなど幅広い市場をターゲットとするIP系の3製品で、旧ファウンドリーネットワークス製品をベースにしている。
まず「Brocade TurboIron 24X Switch」は、1U筐体に1GbE/10GbE対応のSFP+ポートを24ポート、1000BASE-T対応の銅線ポートを4ポートの収容するボックス型スイッチ。488Gbpsのキャパシティを持ち、遅延の少ないカットスルー型転送に対応。電源も二重化される。sFlowに対応したパケット収集が可能となっている。参考価格は240万円から。
2つ目の「ServerIron ADX Application Delivery Controllers」はおもにサービスプロバイダ向けのアプリケーションスイッチ。広域に配置された複数サーバやファイアウォールに対する負荷分散、キャッシング、SSLアクセラレーション、DoS攻撃の防御、TCP/HTTP多重化などの機能を搭載する。
L4-L7のスループットで70Gbps、L4のトランザクション数で1600万/秒を誇る。マイクロソフトやオラクル、SAPなどの各種アプリケーションとの連携も実現しているという。
3つ目の「Brocade FastIron CS Series」は1Gbpsに対応したボックス型のスイッチ。通常の銅線ポートとPoE(Power over Ethernet)のモデルが用意されており、1U筐体に24および48ポートを搭載する。最大8台のスイッチを論理的に束ねるスタッキングが可能で、最大384ポートを1台のスタックユニットで扱える。OSPFまでサポートするレイヤ3機能を標準搭載しており、参考価格は100万円から。
Brocade FastIron CS Seriesでは、従来のIEEE802.3afに比べてより大きな電力を供給する「PoE+」のドラフト版にいち早く対応する。ポートから30Wの電力を供給し、25.5Wをデバイスに供給するという。
こうした10GbE対応のボックス型スイッチは、ラック内でサーバやストレージを集約する「トップ・オブ・ラック」と呼ばれる製品ジャンルに分類され、新製品が相次いでいる。エクストリーム ネットワークスは今春に銅線10GbEに対応する製品を投入しており、昨日も日立電源がボックス型の10GbEスイッチを発表したばかり。製品の一部は来週から開催される「Interop Tokyo 2009」の会場でも展示されるので、ポート密度やスイッチング容量だけではなく、消費電力、ソフトウェア、管理性までじっくり調べておきたい。