「女性がパソコンでのインターネット接続のプロバイダーを決める」という例で話しましょうか。ちょっと自分の友人の知り合いの女性が先日契約を決めたので、とてもわかりやすい例として話できます。
プロバイダーのマーケティングとしては、ターゲットは女性ですから、
- わかりやすく
- かわいく
をメインにしつつ、プロバイダーの成功要因である
- 価格
- 信用性
- サービスの対応の幅
を軸として販売戦略を一般には立てているのではないでしょうか。
では、知り合いの女性は、実際にはどうやってプロバイダーを決めたか。
まず、彼女は携帯電話を買い換えたいと思っていました。PHSだったんです。今までは。
で、そんな話をしているうちに、彼女の友人の男性が「日本のインターネット接続料金はソフトバンクの孫さんの参入で、低くなったんだよ」といい、孫さんのことを持ち上げて話していました。「孫さんは、すごい」と。
「孫さんって誰?」
「ソフトバンクの代表で、Yahoo!JAPANも持っているんだよ」
後日、彼女は別の友人との待ち合わせで、その人が遅れてくるという連絡があり、ちょっとした時間が駅前で空いてしまいました。ちょうど、そこには、駅前で営業している「Yahoo!BB」の人がいました。しかも、キャンペーン中。彼女は、友人が孫さんのことをほめていたので、その場で「Yahoo!BB」に決めました。
実際には、こんなふうに購入活動が行われるのです。
購入者は、確かにその女性です。しかし、最大の影響者はその友人の男性です。
ここから考えられるのは、パソコンやプロバイダーなどを知り合いの男性、詳しそうな男性に相談する女性は多いということ。であれば、戦略的には男性をターゲットにしていれば、この女性を取り込めたということです。
重要なのは、購入プロセスの解明
ターゲットを決めて、その人に対しての訴求力あるプロモーションするのでは、上記の例の場合はだめなのです。それはプロセスが違うから。Webもプロセス、クチコミもプロセスです。
プロセスの中に利用者も、購入影響者、購入決定者もすべているのです。リンクひとつ、紹介ひとつで購入数は変化してきます。
みなさんも自分のところの商品について、お客様の購入プロセスを丹念に追ってみましょう。そして、新たなプロセスの道筋を作ってみましょう。
そうすれば、必ず売上が変わります。
変化がない場合は、プロセスを作ったつもりで、どこかで断絶されている場合がありますので、よく検証してみてください。
このようなプロセスを検証するには、お客様の声をアンケートする必要があります。自分の顧客リストのお客様に、メールで聞くのが一番早いですね。それ以外にも、一般の消費者を対象にしたアンケートサービスなどを利用し、プロセスや影響要因を調べてネットショップの改善に役立てるのもよいでしょう。
当社でも、「あなたのネットショップを診断する100人の声」という消費者に聞くアンケートサービスがありますが、購入プロセスの解明にとても役立つようです。
- なぜ買わないのか
- なぜ他で買うのか
- どうすれば買うのか
この「3つのWhy」をつかみ、プロセスの道をあけてあげれば、人は流れてきます。
大テーマの「メールマーケティング」ですが、まずは「語る」前に「聞くこと」が大切なのです。
著者プロフィール
名前 | 紙田 昇 | |
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会社 | ピーアールジャパン株式会社 | |
サイト | http://www.prjapan.co.jp/ |