(株)ジャストシステムは12日、東京・表参道の青山ダイヤモンドホールにプレス関係者を集め、マイクロソフト(株)の次期OS“Windows Vista”に対応するワープロソフト『一太郎2007』、日本語IME『ATOK 2007』、新開発のプレゼンテーションソフト『Agree 2007』(アグリー2007)、およびオフィスアプリ7本をまとめた『JUST Suite 2007』(ジャストスイート2007)などを2007年2月9日に一斉発売すると発表した。発表された各製品と価格は以下の通り。
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赤いパッケージで意欲を示す『JUST Suite 2007』(中央)と『一太郎2007』(右)、および赤と白のストライプのデザインで統一した『ATOK 2007』と支援辞書シリーズ |
オフィススイート
『JUST Suite 2007』
- 内容
- 一太郎2007、ATOK 2007 for Windows、三四郎2007、Agree 2007、花子2007、Shuriken Pro4 /R.2(Windows Vista対応版)、Justsystem PDF Suite(Windows Vista対応版)
- 価格
- 2万5000円(税別、以下同)
特別優待版:1万8000円など
- 対応OS
- Windows Vista/XP/2000(SP4以上)(以下同)
日本語ワープロソフト
『一太郎2007』
- 価格
- 2万円
特別優待版:9800円など
日本語IME
『ATOK 2007 for Windows [プレミアム]』
- 内容
- ATOK 2007、乗換案内 駅名変換辞書 for ATOK、会社四季報辞書 for ATOK、明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.2、説得できる英文Eメール200の鉄則文例
- 価格
- 1万1000円
『ATOK 2007 for Windows』:8000円(ATOK 2007&乗換案内 駅名変換辞書 for ATOK)
[プレミアム]ダウンロード版:9000円など
ATOK 2007 for Windowsダウンロード版:6300円
表計算ソフト
『三四郎2007』
- 価格
- 5000円
ダウンロード版:3500円など
プレゼンテーションソフト(新開発)
『Agree 2007』
- 価格
- 7800円
ダウンロード版:6000円
ATOK 2007セット:9800円など
グラフィックソフト
花子2007 [書籍セット]
- 価格
- 9800円
ATOK 2007セット:9800円など
ATOK拡張用オプション辞書
プレミアム辞書・辞典パック for ATOK
- 内容
- 会社四季報辞書 for ATOK、明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.2、説得できる英文Eメール200の鉄則文例(一太郎2005もしくはATOK 2005以降が必要)
- 価格
- 3990円
ダウンロード版:3465円
このほか、一太郎2007/花子2007と連携するオプション製品も同日発売される。
日英・英日翻訳ソフト
『翻訳ブレイン』
- 価格
- 2万9800円(税別、以下同)
- 概要
- 原文と訳文をセットで登録しておくと、該当する文章が登場した際に機械翻訳ではなく登録した訳文を呼び出して訳出する“翻訳メモリ”機能付き翻訳ソフト。一太郎2007のアドインとして動作可能で、文字装飾設定などを引き継いだ翻訳結果の出力が可能。このほか、同社のメールソフト『Shuriken Pro4』で受信したメールやInternet Explorerで表示したウェブページ、PDFファイルの翻訳にも対応する。
電子地図活用ソフト
『速攻!全国ゼンリン地図帳3』
- 価格
- 9500円
- 概要
- 花子2007と連携して、全国の市町村地図を用いたオリジナル地図作成支援機能を実現。
OCRソフト
『一発!OCR Pro5 for 一太郎』
- 価格
- 1万290円
- 概要
- イメージスキャナーなどで読み込んだ文書などの画像データから文字を抽出して一太郎などに入力するOCR(光学式文字認識)ソフト。一太郎2007のアドインとして動作し、一太郎から機能を呼び出して認識させ、文字入力の省力化が図れるという。
サンプル・テンプレート集
『一太郎特選テンプレート&イラスト集 [学校・教育編]
- 価格
- 6800円
- 概要
- 生徒や保護者への連絡、校外への文書など学校で作成するプリントに使われるテンプレート1050点と、カラー/モノクロのイラスト各1500点を収録した、一太郎での文書作成向けサンプル集。
XML文書作成支援ソフト
『XMLテンプレートクリエーター3』
- 価格
- 2万円
- 概要
- 一太郎で作った文書からXML形式のテンプレートを作成し、XML形式でデータの収集/集計/出力を行なうXML支援ソフト。メール送信機能がMAPI対応し、利用者が使い慣れたメールソフトからデータ送信を行なえるようになったという。
発表会には、代表取締役社長の浮川和宣氏、JUST Suiteビジネスオーナーの稲野豊隆氏らが出席し、デモンストレーションを交えて新製品の特徴を紹介した。
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代表取締役社長の浮川和宣氏 | | JUST Suiteビジネスオーナーの稲野豊隆氏 |
最初に挨拶した浮川氏は、「日本人が日本語を使い続ける限り、一太郎もATOKも進化を続ける。毎年恒例になっているが、ブログやSNSの普及などIT全体を取り巻く環境が進化している中で、今後も1年に1回機能アップしていく必要性を強く感じる。期待されるソフトウェア、新しい機能を発表したときに膝をたたいて『それを待っていた』と言われるようなソフトを作り続けていきたい」と意気込みを語った。
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一太郎2007の画面 |
一太郎2007は、新たに“エディターフェーズ”と“ビューアーフェーズ”という2つの動作モードを追加した。エディターフェーズは文書の装飾などを表示せずに手早く文章の入力/編集/校正を行なうモード。デモでは、メールソフトから文章をコピー&ペーストした際に文末の改行が入っている状態を示し、不要な改行を一括して削除するといったテキストエディターらしい軽妙な動作を実演して見せた。また、スペース/改行などの文章の前後関係から見出し/本文部分を自動的に解釈して、1ボタンで提出用文書に装飾する機能も搭載されている。
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モードを切り替える左下のタブ |
ビューアーフェーズは、名前の通り入力/編集などを行なわず文書の表示・閲覧のみを行なうモード。デモではWord文書を読み込んで、装飾などを正しく解釈・表現できる互換性の高さを実証した。表示は1ページ単位で上下スクロールするほか、ページをサムネールで表示する“ページ一覧”や、簡易プレゼンテーション向けに文書1ページ単位で全画面表示して手書きペンで書き込める“スライド表示”などが可能。ページ一覧では虫眼鏡ツールを使った部分拡大で内容を確認したり、特定ページを選択して印刷することもできる。なお、これらのモード切替は左下のタブで行なう。
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素早く文章の入力/編集を行なうエディターモード | | エディターモードから基本編集に切り替えると、改行や文字下げなどを自動的に解釈して、簡易修飾される |
このほか、入力/編集中の文章から特定語句をGoogleで検索できる右クリックメニューを用意したり、ウェブブラウザーの文字入力画面で右クリックすると“一太郎で入力”のメニューが表示され、一太郎のエディターモードで文章の入力/編集が行なえるなど、インターネットとの親和性が高まっている。
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ページ一覧モードで虫眼鏡ツールを使って拡大表示したところ |
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三四郎2007の画面 |
三四郎2007は、数字の桁をカンマ区切りだけでなく日本人が読み取りやすい“兆億万”単位に切り替えられ、関数での計算結果も自動的に単位を変換できるようになった。また、左下のステータスバーに合計、最大値、平均など関数を用いて表示させるまでもないが確認したい計算をトグルで切り替えて表示するメニューを追加。このほか、コピー&ペーストした表が自動的に一太郎の罫線に置換されるなど、一太郎との連携強化が図られている。
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ステータスバーに簡易計算結果を表示するメニューが追加された。なお、Vista対応をアピールするため、デモはすべてWindows Vista上で行なわれた(ただし、ビルドなどの詳細は不明) |
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Agree 2007の画面 |
新開発のプレゼンテーションソフトAgree 2007は、PowerPointのユーザーが感じる不満を解消させたプレゼンテーション向けの図版作成ソフト。文字の部分的なカラー切り替えや取消ライン、文字間隔の調整、文字枠の回転、縦書き横書きといった、日本でよく使われる文字修飾の機能をアイコン表示するなど、使いやすくしている。また、図形を縦横で整列させるのに便利な“ガイドライン表示&吸着”機能を搭載。プレゼンテーション中にスライドを飛ばしたり戻ったりする際には、カーソルを右端に移動するとページ一覧がサムネール表示され、スクロールして目的のページに容易に移動できるなど、独自の工夫がなされている。
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マウスカーソルを右端に置くとページのサムネール表示され、縮小画面を見ながら目的のページに移動できる |
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花子2007の画面 |
花子2007では、ポスターや案内状の文字/文章を多数使ったページの作成時に、文字の編集/変更を容易にする“文字入力ウィンドウ”を追加した。これは従来の画像表示ウィンドウと完全に連動しており、文字入力ウィンドウで編集/変更した文字は画像表示ウィンドウにも自動的に反映され、画像表示ウィンドウに文字枠や文字列を追加すると文字入力ウィンドウにも自動入力される。これを利用すると、文字枠が重なり合ったイラストでもマウスを微妙に操作する手間なく編集・作成が行なえるという。
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このようなチャート図など、文字が多い図版を作る場合にテキスト入力ウィンドウが便利だ |
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ATOK 2007に新たに搭載された日本語変換エンジン“ATOKハイブリッドコア” |
日本語IMEの最新版ATOK 2007は、20世代目のATOKに当たり、同社の自然言語処理研究チーム“ATOK Lab.”(エイトックラボ)の研究成果を反映した新しいかな漢字変換エンジン“ATOKハイブリッドコア”を搭載した。これは前後の文節から最適な変換を行なうほか、“さん”“様”などの敬称が付いた場合には一般語ではなく人名を優先表示するなど変換候補の表示順をフレキシブルに入れ替える機能が搭載されている。
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Windows Vistaの印刷標準字体にも対応、入力できるようになった |
また、“きょう”→“2006/12/12”のような日付入力支援機能を拡張し、いっさくねん(一昨年)やらいげつ(来月)、どよう(土曜)などのキーワードからも候補になる日付を変換候補に表示できるようになったほか、カレンダーから日付をマウスで選択するとその日付が入力される“日付入力パレット”を追加した。これは、先月の第2土曜が何日だったか、といったカレンダーを見なければ入力できないケースを想定した機能拡張だという。
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乗換案内の駅名辞書を活用して、京急蒲田駅と沿線の駅を変換候補に表示したところ。さらに駅の所在地や関連リンク、地図ページへのリンクなどが参照できる | | 日本語IMEの駅名入力から駅周辺の地図表示にシームレスに移行できる |
このほか、ジョルダン(株)の経路検索ソフト“乗換案内”シリーズから駅名や路線上の各駅、その駅の基礎情報(住所や電鉄会社)、および駅周辺の地図ページへのリンクを、(株)東洋経済新報社の『会社四季報』から登記済みの会社の正式名称や基礎情報(資本金や証券コード、従業員数)、その会社へのリンクをツールチップとして表示するなど、文章入力・変換時に関連して知りたい情報を、アプリケーションを切り替えることなく入手できるようになっている。
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会社四季報との連携機能。乗換案内との連携機能以外は[プレミアム]、もしくは拡張用オプション辞書をインストールした環境でのみ利用できる |
なお、“Windows Vista対応”については、Windows Vista上で正常に動作するというだけでなく、Windows Vistaに標準搭載される“デスクトップ検索”、およびエクスプローラーでの“プレビュー表示”に対応しているほか、ATOKでは“印刷標準自体”を変換候補に出力でき、その際には“機種依存文字”(ほかのOS環境では正しく表示できない場合がある)ことを警告するとのこと。