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【アキバ・キーマンインタビュー No.7】アキバ最強バカTシャツで知られる、カミカゼスタイルの店長兼デザイナー登場!

2006年12月11日 23時32分更新

文● 大森徹哉

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Tシャツは自作マシンでデザインする

PC

――パソコン関係のものを買ったりすることもありますか?
【姫川】 このパソコンは自分で作りましたよ。デュアルのPentium D。HDDは250GB。ずっとMacだったんですよ。グラフィックとかやってたから。だからどうしてもWindowsっていうのが親しみにくくて。そう思ってたら、お客さんが「自作をしたらいいじゃないですか」って。

――お客さんから?
【姫川】 そう。いろいろアドバイスをいただいて。「マザーボードはこれで! ビデオカードはこれで!」って言われて。「これは駄目なの?」っていったら、「これはちょっと格好よくないですね」って(笑)。「中身は別に見えないからいいじゃん」って言ったら「気持ちの問題ですよ」って(笑)。買い物にも付き合ってもらって。でも作るときは1人でぽつんと。心細かった(笑)。

――無事にできましたか?
【姫川】 できたっすよ。何のトラブルもなかったですね。ただ、CPUをカチンと付けるじゃないですか。「あれ、こんなに握力いるの?」って。「壊れるんじゃねーの、これ」って。「こんな強く押していいの? 誰かー!」って思ったけど、誰も来なくて(笑)。


作画
――ちゃんと普通に動いてますよね。
【姫川】 普通に動いてますよ。結構、早いですよ。みんなに「自作いいよ」とか言ってるもん。これで8万円くらいで作っちゃたですからね。

――今、HDDも安いですよね?
【姫川】 安いですよ、バルク品だとかなり安いですよ。250GBで9000円とかですもんね。「えー安っ!?」って感じで。もうメイン機ですよ。

――時間はどれくらいかかりましたか?
【姫川】 2~3時間くらいですよ。機械モノいじるの好きなんですよ。車とかバイクとかも修理できるんで。エンジンとか開けちゃうんですよ。

――じゃあもう自作は簡単だったんじゃないですか?
【姫川】 簡単というか、書いてあるとこに差せばいいじゃないですか、これって(笑)。プラモデルより楽ですよ、接着剤使わなくていいし。車屋とかバイク屋の人にとっては全然楽だと思いますよ、特殊工具いらないし。いちばん大変なのは自転車なんですよ。

――自転車もやるんですか?
【姫川】 自転車もものすごくやりますよ。気づくと1台に40万円とか平気でかけちゃう。下北から自転車で通ってますよ、15キロ。都内は自転車でいけますよ。

――都内だと、距離が近いですもんね。
【姫川】 下北沢~アキバ間とかたかだか15キロの間に、青山や赤坂だとかが全て含まれているんですよ。新宿とかね。今、下北に住んでいるんですけど、渋谷とか新宿とか普通に自転車で15分くらいで行けちゃいますからね。

――休みの日にちょっと行ったりとかするんですか?
【姫川】 そうですね、そのかわり鬼コギですけどね(笑)。



萌えキャラが描けるのは努力次第!

萌えキャラ

――萌キャラってどうするといい感じになるんですか?
【姫川】 萌キャラですか? 僕が萌えを語ると、すごく語弊がありそう(笑)。「お前は違うやろ!」って言われるのが聞こえてくる。しかも、作為的にやってますからね。

――作為的にやってるんですか?
【姫川】 いや、それはそうですよ。僕自体もアニメが嫌いじゃないんですよ、元々アニメーターですから。おたく出身なんで。ただ、何が萌えキャラ、萌えなのかっていうのはわからないんです。やっぱりこう、それがわからなかったから苦労したんですよ。目がこうとか、口はこう、鼻はこう、手のプニプニ感はこうとか、そういう定義づけがないから描けない人は全然描けない。萌えキャラを描いたりイラストを描くのは、やってる当人はそんなに大変じゃないんだけど、見ている人はね、「何でこんな絵を描けるんですか?」って言う。でもそれは努力次第じゃないかって本当に思うんですよ。僕も全然描けないところから、ある程度努力で描けるようになったんでね。

――やっぱり努力次第だったりするんですか?
【姫川】 努力次第ですよ。だから、あなたがこれから「描きます!」と言われれば、描けるようになりますよ。

――いや、そんなことはないですよ。
【姫川】 相当がんばれば、そうですね2年くらいがんばれば描けますよ。

――本当ですかー?
【姫川】 描けるはずです。スキーとかスノボみたいなものですよ。最初からスキーの素質がある人もいるだろうけど、ある程度みんなできちゃうじゃないですか。スノボも。それと同じです。要するにやりたいという気持ちさえあればできるんです。絶対描けるんです。ただ、描きたいと普通は思わないだけですよ(笑)。


店内
――確かにそうですね。
【姫川】 「そんなに萌キャラを描いてどうするんだ、オレはこんな年で萌えキャラを描いてどーするんだ」と。僕、もう今年で40ですから。

――何年生まれなんですか?
【姫川】 昭和41年です。それで、自分で怖いのが、「だんだん感覚が鈍っているんじゃないか」とか「新しいことがキャッチできないんじゃないか」ということです。作る仕事において一番大切じゃないですか。服とかこれでいいかとか、テレビで何をやっているのかとか。

――もうどうでもいいという感じですか?
【姫川】 そういう、もうどうでもいいって感じあるじゃないですか。あれが一番やばいですよね。インターネットとかで騒いでるけど別にいいよとか、「モーニング娘。」が今何人だろうといいとか。それはオタクとかそういうのもまったく同じで、その感覚っていうのを常に共有していないと、アッという間にわからなくなる。ものすごくスピードが早いんですよ、オタクの人のほうが。

――オタクと言われている人のほうが?
【姫川】 そう。オタク系のものが。だからオタクの人ってセンスがいいんですよ。新しいものにすごく敏感なんです。一般の人のほうがよほどセンスが悪いですよ。服がどうのこうのって言っても、雑誌で見たままのものを買っているだけじゃないですか。でも、オタクの人ってすごく敏感じゃないですか、感覚的に。例えば、美少女キャラクターの線1つにしても、「これはちょっとダサいな」とか、「これはキテるな」とか、そういうことで売れてる作家さんとの差がつくわけですよ。(次ページに続く)



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