K10D開発者に聞くインタビュー。後半はメカ設計や商品企画のコンセプトについて聞く。盛りだくさんの機能を持つK10Dだが、どのようなユーザー層をターゲットにし、そのためにどういった機能の取捨選択を行なったのか? まずはそのあたりから聞いていこう。
K10Dには、カメラとしての使い勝手を高める機能が満載だ |
ハイアマチュア向けに新設計
[――]
ペンタックスは開発スタート時に、対象ユーザーをハッキリさせてから製品開発を進めていくと聞いています。今回のK10Dのターゲットユーザーはどのような人たちなのでしょうか?
商品企画とマーケティングを担当している畳家久志氏 |
[畳家]
K10DはK100Dの上位機となりますが、上位機種と下位機種を明確に分け、ラインアップを形成するというのは、ペンタックスのデジタル一眼レフでは初めての試みです。K100Dでは主にビギナー層をターゲットにしていましたが、今回は写真を分かっている方々、写真を撮ることが好きな方々としています。年齢でいえば40~50代のハイアマチュア層を念頭において開発を進めてきました。
[――]
ハイアマチュア層を意識して開発する上で、何に重点を置きましたか?
[畳家]
例えば“オートピクチャー”モードは入れないといった機能の割り切りを行なってもいいのではないか、シャッター速度や絞りを迅速に変更するためには電子ダイヤルは2個必要だろうなど、ユーザー層にあった機能の取捨選択を開発メンバー全員で議論しました。K100Dの上位機種であるなら、1000万画素の撮像素子が必須でしょうし、画素が向上すればボディー内手ぶれ補正の“Shake Reduction”(SR)もレベルアップしなければならない。過酷な使用に耐えうる“防塵、防滴”に関しても、ハイアマチュアが求める機能ではないか……ということでこれらの機能を盛り込むことに決めました。
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ペンタックスとサムスンの提携が発表されていますが、今回のK10Dにはサムスンの技術は入っているのですか?
[畳家]
サムスンテックウィン(株)との提携を昨年発表したのですが、提携以前からK10Dの開発は始まっていました。K10Dに関する基本的な開発は、すべてペンタックスが行なっています。韓国で販売されている『GX-10』に関しては、メニュー画面などのGUIがオリジナルで開発されており、K10Dとは異なります。
フォトキナで展示されていたサムスンブランドの『GX-10』 |