独立行政法人の産業技術総合研究所は22日、次世代半導体研究センターが、書き換え可能なLSIを利用し高速化したウイルスチェックシステムを開発したと発表した。
ウイルスチェックシステムのコンセプト |
開発したシステムは、インターネットとパソコン/情報家電の間に接続し、ウイルスチェックをハードウェアで行なうことによりウイルスチェックの処理を高速で行なうのが特徴。ハードウェアを利用するシステムでは、新種のウイルスに対応するにはシステム(回路)全体を変更しなければならないが、今回、組み込み後いつでも機能を書き換えられるFPGA(Field Programmable Gate Array)を利用することにより、ハードウェアで行なえるようにした。ウイルス情報のデータベースはウイルス対策ソフトと同じものを利用し、データベースの更新に合わせてFPGAの更新が行なわれるしくみとなっている。
ウイルスチェックシステムの構成 | 開発した実証システム |
産総研では、10Gbps以上の処理能力を持つウイルスチェック回路を市販のFPGA上に組み込み、実証システムを開発。理論上は10Gigabit Ethernetの通信データをリアルタイムでチェックできるという。現時点では実証システムを10Gigabit Ethernetに接続できないため、実際の性能を測定できないが、情報技術研究部門が開発したFPGA基板を利用すれば10Gigabit Ethernetに接続可能で、今年度末には接続できるようにするとしている。
産総研では、2007年度末まで研究開発を進め、3~5年以内の実用化を目指すとしている。