(株)学習研究社の子会社として今年8月に設立された(株)アドマガは7日、東京・丸の内の丸ビル内コンファレンススクエアにプレス関係者を集め、パソコン向けデジタルコンテンツ配信サービス“アドマガ”を2007年1月に開始すると発表した。動画や音楽など、従来の電子書籍にとどまらない複合型デジタルコンテンツの配信が可能としており、一般ユーザー向け配信と、特定ユーザー向け受託配信の2つのビジネスモデルを展開する。
発表会に出席したアドマガの代表取締役社長の須摩春樹氏(左)と取締役の荘 信智氏 |
発表会には、アドマガの代表取締役社長の須摩春樹氏、取締役の荘 信智氏、取締役 開発・技術担当の中島 徹氏らが出席し、サービス開始の背景や狙いなどを説明した。
アドマガのクライアントソフト |
アドマガは、2005年にサービス開始以来、2年半で700万ユーザーを獲得したという中国・台湾のデジタルコンテンツ配信サービス会社Xplus社との合弁企業で、来年1月に日本で開始されるサービスも同システムをベースにしている。ただし、単に日本語化するだけではなくソースコードレベルから解析して、日本でのサービスに合うよう改良を加えているという。
クライアントソフトでオンラインマガジンを購読管理しているところ |
アドマガのビジネスモデルは、
- 出版社や企業・団体の電子コンテンツを一般ユーザー向けに無料配信する電子メディア事業
- 会員や取引先、自社社員向けなど指定したユーザー向けにコンテンツを電子配信する配信受託サービス事業
の2つを予定している。
パイオニア(株)のカーナビを紹介するオンラインマガジン。カーナビの使用イメージが分かる動画コンテンツも含まれる |
電子メディア事業では、出版社をクライアントした広告付きフリーマガジンの発行や、ゲームメーカーが自社サイトへの誘導を目的とした販促コンテンツの配信、食品メーカーによる新商品の認知度向上や市場調査、などを例示している。いずれもクライアントがアドマガに配信料を支払い、アドマガは一定数の利用者に自動配信してそのレポートをクライアントに提出する。配信するコンテンツの制作も請け負うほか、コンテンツにアンケート機能を実装でき、そのアンケート結果の集計やレポートも行なうという。
後者の配信受託サービス事業では、クライアント企業専用の配信プラットフォームを構築して指定配信先会員を設定した上で、専用サイトの構築や配信コンテンツの制作・配信、サイトの閲覧レポートやアンケートレポートをクライアントに提出するというもの。
同じくゴルフレッスンのコンテンツの画面。読者アンケートを取る機能も付けられる |
一方コンテンツを利用するユーザー側は同社サイト“アドマガ”から、Windows XPに対応する専用クライアント“アドマガランチャー”をインストールすることで、アドマガで配信されている各種コンテンツをダウンロードして、オンライン/オフラインで視聴できる。また一度ダウンロードしたコンテンツについて、続刊が配信された場合(インターネットに接続可能な環境であれば)、自動的にダウンロードする機能も持つ。特にオフラインでも利用できるので、「新幹線や飛行機での移動中にも、あらかじめダウンロードしておいたコンテンツが楽しめる」(須摩氏)と幅広い利用シーンを提案する。
同社では今月8日に配信テストを開始し、同時にテスト版のビューアーソフトとコンテンツの配信を行なう。その後、利用者やクライアントからフィードバックなどを受けた上で、来年1月中旬に本サービスの開始を予定している。
ファイルはFlashを変換した独自形式、DRMは今後の課題
――アドマガ一問一答
説明会の後に、発表内容に関していくつか質問を投げかけたところ、以下のような回答が得られたので追記する。
特定ユーザー向け配信の場合は、クライアント様からの要望に応じて課金システムとの連携を早い段階で検討することもありえると思います。
配信価格については現在精査中です。目安としては、データ容量などでご相談させていただく可能性もありますが、一部当たり数十円程度とお考えください。