同社プリンターならではの快速印刷にさらなる磨き
同社最高速クラスのプリントエンジンだけに、印刷速度は1枚あたり5秒足らず(はやい:標準)というのは、文書印刷において非常に快適だ。L判プリントを試してみたところ、パソコンからのデータ転送の時間(約15秒)を含めて最高画質で1分07秒、自動(同社プリンター独自の機能である用紙種別自動判断モード:アドバンスフォト用紙を使用)で約48秒というのもかなり高速だ。
| 印刷サンプル デジタルカメラ画像(600万画素)をパソコンから印刷したものをスキャンした。上は写真の自動補正をOFF、下はONにしたもので、若干明るく修正されている。いずれもパソコンからの印刷で、最高画質で印刷。時間は約1分07秒。 |
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パソコンから印刷を行なうと、印刷ごとにこのようなウィンドウがポップアップする(表示させないことも可能)。インク切れが分かってオンライン購入を考慮するタイミングをつかみやすいのも面白い。 |
メモリーカードのデータを直接印刷した場合はさらに高速で、1枚あたり約28秒となった。パソコンからの印刷時やダイレクトプリント時(用紙自動選択でのアドバンスフォト用紙向けの設定)では最高よりも若干落ちる画質となるが、肉眼で見る程度ではほとんど意識できないほどの差異しかない。
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印刷サンプル2 印刷サンプル1の補正OFFを拡大(600dpiでスキャンしたものの等倍)。ぼけ部分などの平板な部位ではやや粒状感が残る。 |
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印刷サンプル3 左はパソコンからの最高画質での印刷(サンプル1と同じ)、右は同じデータをメモリーカードからダイレクトプリントしたもの。アドバンスフォト用紙への自動用紙設定では28秒という高速で印刷が行われるが、画質は若干低くなるようだ。 |
印刷結果を拡大してみると、昨今の他社製品に比べればやや粒状感が残る。本機は5plインク滴を採用するが、さすがに粒状感に関しては最新の1~2plモデルには及ばないようだ。もちろん“きれいさ”というのは相対評価にしかすぎないわけで、写真品質に特にこだわる人にとっては物足りない部分もあるだろうが、肉眼で見る限りはほとんど気にならず、室内などに飾ったりポストカードとして配る用途には充分すぎるレベルと言える。
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印刷元となったデジタルカメラ画像。掲載用に640×480ドットにリサイズおよびトリミングしているが、印刷に使用したのは3264×2448ドットの元画像。 |
家庭用プリンターはスキャナーやコピー機能を装備する複合機のほうに主力が移りつつあり、複合機よりも単機能機寄りに位置するダイレクトプリンター機は今年の各社ラインナップでも少なくなりつつある。しかし、印刷物や紙焼き写真のコピー/焼き増しの必要性はほとんどない、という人も多いだろう。もちろんパソコンからの印刷が中心であれば単機能プリンターという選択肢もあるが、凝ったレタッチを必要とする画像でなければ、メモリーカードからダイレクトに印刷できるのはかなり手軽であり、パソコンに接続してあれば普段はUSBメモリーカードリーダとしても使うことができる。価格の点でも2万円台前半と、6色インクの高速機としてはかなり手頃であるのも大きな魅力の1台と言えるだろう。
HP Photosmart D7360 Printerの主なスペック |
製品名 |
HP Photosmart D7360 Printer |
印刷解像度 |
最高4800×1200dpi |
印刷速度 |
32枚/分(モノクロ)、31枚/分(カラー) |
使用インク |
C/M/Y/K/フォトシアン/フォトマゼンタ(染料):各650ノズル |
用紙サイズ |
A4~B5、はがき/往復はがき、封筒、L判/2L判、カスタム用紙設定、自動両面印刷対応(オプション) |
給紙容量 |
メイン給紙トレイ:最大100枚、フォト給紙トレイ:最大20枚 |
液晶ディスプレー |
3.6インチタッチスクリーン付きTFT液晶パネル |
インターフェース |
USB 2.0、Bluetooth対応(オプション) |
本体サイズ |
463(W)×387(D)×173(H)mm |
重さ |
8.0kg |