(株)PFUは12日、“HappyHacking Keyboard”(以下HHKB)シリーズの発売10周年を記念して、完全受注生産の最高級モデル2製品を発表した。初回ロットは合計100台(規定数に達した時点で注文は一時中断)。本日から受注を開始する。価格と主な特徴は下記の通り。
削り出しのアルミ合金を使用した10周年記念モデル |
- HappyHacking Keyboard Professional HG JAPAN
- アルミ合金製シャーシー、削り出し加工
- キートップは無刻印・漆塗り
- 価格52万5000円
- HappyHacking Keyboard Professional HG
- アルミ合金製シャーシー、削り出し加工
- HHKB Professional 2と同じ4種類(白黒、刻印有無)のキートップ
- 価格26万2500円
実機の展示と販売は、直販サイト“PFUダイレクト”のほか、東京南青山の筆記具専門店“Pen Boutique 書斎館 Aoyama”、東京原宿の提案型雑貨店“AssistOn”などで行なう予定。
無刻印モデル。HHKBの出荷数の中で無刻印モデルは、実に3割を占めるという |
黒の刻印モデル | 白の刻印モデル |
輪島塗モデル | 鏡面加工が施された背面 |
アルミ合金削り出しの高質感モデル
HHKBシリーズは、1996年に初代モデルが登場。プログラマーにとっての理想のキーボードを目標に、省スペース性とキータッチの改良を行なってきた。今回のモデルでは、その10周年を記念して「世界最高の打感と質感を持った究極のキーボード」を目指したという。
裏返して、背面のレッグパーツを外したところ |
フレーム部分は、東プレ(株)と協業して製造したもの。マグネシウムを配合した5000番台のアルミ合金を削り出して、表面にヘアライン加工を施している。裏面はクロムメッキによる鏡面仕上げで、希望したユーザーに対しては名前をレーザー刻印することも可能だという。このフレームは各機種とも共通。
キーボードのスイッチは、東プレの静電容量/無接点タイプを使用している。キー寿命3000万回以上という耐久性の高さと、軽いタッチが特徴となる。キーボードの傾きも約1度単位で8段階に調節可能な設計とした。傾きは六角レンチでレッグ(脚)パーツ(スペーサー)を交換することで調節する。
レッグ部分にパーツを追加することで傾斜をカスタマイズできる |
付属するスペーサーは5種類。金属を傷つけないため、ピンセットは竹製とした | パーツ類は木箱に収納された状態で本体に付属する |
六角レンチでレッグ部分のパーツを外す | ここにピンセットで、好みのパーツを入れていく |
日本産の漆塗り塗装モデルも
上位の“HG JAPAN”(JAPANは英語で漆塗の意)に関しては、石川県の輪島漆塗工房“大徹漆器工房”と協力し、輪島塗とした。漆は純国産とし、合計10回もの塗りを繰り返すことで、深味のある朱色を実現したという。表面には金粉が散りばめられているが、これは表面の質感を向上させるとともに、漆の乗りにくい角の部分にもしっかりとした塗装を行なうために必要なものだという。
漆塗りの採用に関しては、「単なる豪華主義ではなく、ハードにプログラミングを行なう人に最高の抗菌性、吸湿性、耐久性を提供するため」だと製品担当者は話す。実際キーボード表面にはしっとりとした質感が感じられ、滑りにくく心地よい適度な吸着感を指先に感じる。
漆を塗っている様子 |
金粉を吹いているところ |
HHKB HG JAPANは写真のような木箱に和紙のラベルを付け、それを真田ひもで結んだ状態で出荷する |
最小限のキー数(US配列60キー)で省スペース性を実現している点や、AのとなりにCtrlキーを置く配列といった特徴は従来機種を踏襲している。キーピッチは19.05mmのフルサイズで、背面には2ポートのUSB 2.0 Hubを装備する。USBケーブルは着脱式。本体サイズは幅297.4×奥行き123.6×高さ40mm、重量は1100g。OSはWindows、Mac OS、Linuxなどに対応する。
大徹漆器工房の漆頭・八井汎親氏 |
納期に関しては、完全受注生産ということもあり、HG JAPANモデルが3ヵ月。HGモデルが1ヵ月半程度かかるという。