オリンパスの「CAMEDIA SP-510UZ」。 |
オリンパスイメージングの「CAMEDIA SP-510UZ」は、“UZ”(Ultra Zoom)の名前のとおり高倍率ズームレンズを装備する望遠機だ(関連記事)。同社“CAMEDIA”(キャメディア)シリーズとしては2001年に発売された「C-700 Ultra Zoom」を始めとした歴史のあるUZシリーズの最新モデルであり、大きめのグリップなど余裕あるボディーデザインとマニュアル露出撮影などを備え、運動会シーズンで子供を撮るなどの用途から旅行の記念写真まで幅広い用途に使えるのが特徴だ。
大径レンズが目を引くフロントフェース。ボディーはすべすべした樹脂のため、グリップなどのラバー部を除けば必ずしも手がかりがよくないのは残念。 |
撮像素子は1/2.5インチ有効710万画素CCDを採用し、レンズは広角38mmからの光学10倍ズームを搭載。背面には2.5インチTFT液晶ディスプレーと0.2インチの電子ビューファインダ(EVF)を内蔵する。従来、C-700シリーズでは700→750→770へと進化するにつれてボディーを小型化して携帯性を高めていったが、本機ではしっかりと握りやすいグリップや大柄なボディーを備えることで安定した撮影を可能としている。
大きなモードダイヤルと前傾したシャッターボタン周囲のズームリングが使いやすい上面。太いレンズ鏡胴部にはさらにラバーを巻かれて扱いやすい。 |
光学式手ぶれ補正機構は搭載しないものの、高感度域でのノイズを低減し、高感度撮影によってシャッター速度を上げて手ぶれを抑える方式を採用する。最高ISO 1600相当に感度アップして撮影できるほか、複数の画素情報を平均化することで画素ごとの差を減らしてノイズを抑える画素混合技術を使い、ISO 4000相当での撮影も可能。ただし、画素混合では記録画像サイズはスペックの半分程度の300万画素相当となる。
グリップ部の太さが分かる側面。左は電源をONにしたところで、電源ONによって伸張したのちはズーム動作によってレンズの伸張は変化しない。上部の四角い部分(正面から見てOLYMPUSのロゴがある部分)が上にフリップしてフラッシュが現われる。 |
太いレンズ鏡胴部とグリップ部にはラバーが貼られており、ホールド性は極めていい。上面には大きなモードダイヤル、背面にはカーソルキーなど操作部を持つ。カーソルキーの中心はFUNC/OKボタンとなっており、撮影時にISO感度やホワイトバランスなどの設定をワンタッチで呼び出せる。MENUキーで呼び出すメインメニューとは別に、必要な項目をクイックにアクセスできるので便利だ。さらにカーソルキーの上下左右にはフラッシュモードや露出補正などの機能が割り当てられており、特に露出補正キーはプログラムAE時にプラスマイナス補正を行なうだけでなく絞り優先/シャッター速度優先/マニュアル露出撮影モードではそれぞれの値を指定するモードへの移行キーとなっている。一見すると設定する項目が分散しているようにも見えるが、露出補正だけならカーソルの上を押せばいいわけで、操作に慣れればFUNCメニューをいたずらに増やすよりも各機能へのアクセスは簡単だ。また、“μ”(ミュー)シリーズや“FE”シリーズと同様にモードダイヤルを“GUIDE”(ガイド)に合わせれば撮影目的が項目表示され、入門者でも使いやすい配慮がなされている。
本体下部から単3電池×4本を装着、右側面からxDピクチャーカードを装着する。 |
電源を単3電池×2本で済ませることで携帯性を重視するのが最近のコンパクト機の流れではあるが、本機では大きなグリップ部に単3電池×4本を収納し、省電力技術の進歩もあって撮影枚数はアルカリ乾電池でも約630枚と、電池駆動時間が非常に長いのも魅力だ。単3ニッケル水素充電池を使って半日持ち歩いて100枚程度撮影しても、液晶ディスプレー上に表示されるバッテリーインジケータでは満充電のまま変化がないほどで、旅行などにも重宝しそうだ。