KDDI(株)および沖縄セルラー電話(株)は28日、東京・日比谷の帝国ホテルにて、同社のau携帯電話サービスの秋冬モデル12機種を9月上旬より順次発売していくと発表した。全モデルで音質の向上が図られ、ヤマハ(株)の協力により、機種個別のチューニングによる音づくりがされているほか、デザインのトータルプロデューサーに日産自動車(株)のコンパクトカー『Be-1』や日本電気(株)の液晶一体型パソコン『simplem』などをデザインした、(株)ウォーターデザインスコープの坂井 直樹氏を迎え、デザインの底上げを図っている。各機種の詳細なスペックなどについては速報があるので、そちらを参照していただきたい。
各地に置かれるようになる速水もこみちさんのPOP |
また、au携帯電話サービスの新イメージキャラクターに俳優の速水もこみち(はやみ もこみち)さんを起用すると発表。速水もこみちさんを起用した新聞広告、テレビコマーシャルなどは9月中旬から順次展開する予定。
発表会では、代表取締役社長兼会長の小野寺 正(おのでらまさし)氏、執行役員常務 au商品企画本部長の井上 正廣(いのうえまさひろ)氏、(株)ウォーターデザインスコープ 代表取締役社長の坂井 直樹(さかいなおき)氏が壇上に上がり、製品戦略、デザインコンセプトなどについて説明した。
MNP開始後も精力的にモデル、サービスを充実させていく
代表取締役社長兼会長の小野寺 正氏 |
小野寺氏はまず、「“番号ポータビリティ(MNP)” の開始に際して、ますます多様化するニーズに対応するために、すべてのお客様に満足してもらえる全12機種の強力なラインアップを用意した。音楽については、良い音に対するこだわりとそれを支える技術に定評があるヤマハ(株)の協力を受け、“原音の追求”をコンセプトとした、トータルの音質向上に取り組んでおり、携帯電話機のモデルごとに音作りを追求し、ハイクオリティーサウンドを実現した。また、デザインに関しても、新しい造形や質感にこだわり、個性的で上質なデザインを実現している」と今回の新製品におけるコンセプトに関して説明した。
最後に、「auは常に1歩先を行くよう、また新たにauに来ていただいたお客に安心して利用していただけるよう、サービス面を充実させている。MNPが始まると、携帯電話を選ぶ上でさらに厳しい状況になると感じており、auでは、本日発表する12機種やサービスをはじめ、魅力的な端末、コンテンツメディア、利用しやすい料金プラン、これらをそろえて今後も提供することで、期待に精力的に応えていきたい」とまとめた。
定評のある音楽、デザインは次のステップへ
次に執行役員常務 au商品企画本部長の井上 正廣氏が登場し、新製品の戦略について説明した。
行役員常務 au商品企画本部長の井上 正廣氏 |
井上氏は、「2006年上期までのauは、3年連続で純増No.1、お客様満足度No.1を実現した」という点をまず説明した。また、自社調査により“デザインの良い携帯電話を出している”、“音楽と聞いて思い浮かべるキャリアは?”などの点において1位になっていると説明し、「auは音楽とデザインでの評価がダントツに良い」と語った。その上で「番号ポータビリティ(MNP)に向けて、これまで以上にニーズに応えられるように戦っていきたい」と説明した。
自社調査では、デザイン面、音楽面でトップを誇るau携帯電話機 |
音への取り組みについて「今年春に“ウォークマンケータイ”を発表し、好評をいただいているが、auにおいてケータイで音楽が聴ける、というのはもう当たり前のことで、ポータブルオーディオを凌駕する存在にしていきたいと考えている。そのために音楽に対するこだわりを大切にし、原音の追求をコンセプトにした音質の向上への取り組みと、音楽に映像をプラスした配信を開始する」と説明した。また、「私も初めて聴いたときは、音の良さにびっくりしたので、ぜひとも聴いてみてほしい」とコメントした。
ヤマハとの協力により音質の向上を図る | ヤマハ製音源チップを内蔵し、機種別にチューニングを施す |
デザインへの取り組みについて「いち早くデザイナーとのコラボレーションケータイをリリースすることにより、デザイン=auと評価を受けている。今回発表した12機種では新しい試みとして、ウォーターデザインスコープの坂井 直樹氏に全モデルでデザインをトータルプロデュースしてもらっており、多様化したニーズに対応していきたい」と説明した。
そのほか、同時に発表された8つのサービスに関しても説明した。
待ち受け画面や、特製ランチャーなどが入ったテーマをダウンロードして簡単に着せ替えできる“EZケータイアレンジ” | アドレス帳をサーバー上にバックアップしておける“アドレス帳預けて安心サービス”。無料で利用できる | 他社携帯電話機との相互互換となった“絵文字互換サービス”、“デコレーションメール”、“テレビ電話サービス” |
コンセプトは、プレミアム、ラグジュアリー、マチュア
次に今回の新機種のデザインをトータルプロデュースした、ウォーターデザインスコープの坂井 直樹氏が登場。自身が深くデザインにかかわった携帯電話機『DRAPE(ドレイプ)』をからめた、全体的なコンセプトの説明を行なった。
ウォーターデザインスコープの坂井 直樹氏 |
坂井氏は、「今回のau新機種のコンセプトは、“Premium(プレミアム)”、“Luxury(ラグジュアリー)”、“Mature(マチュア)”の3つをイメージしている」と説明。「深遠さと、複雑さが織りなす、美の追求としてマチュアがあり、これら3つの大きなキーワードは、さらに8つのキーワードに置き換えられる。1つめは“Delicate(繊細)”、2つめは“Profound(奥深さ)”、3つめは“Temptation(誘惑)”、4つめは“Audacity(大胆)”、5つめは“Chic(上品)”、6つめは“Complex(複雑)”、7つめは“Individual(個性的であること)”、8つめは“Classic(伝統的)”。この8つをそれぞれ満たすデザインを目指した」と説明した。
マチュアに関する説明。美の追求とある |
自身がデザインしたDRAPEに関して「1920年代から30年代のアールデコ調をモチーフとしており、優雅なデザイン意識を身にまとう、というコンセプトで設計しており、アールデコの特色である直線や流線型を幾何学的にアレンジし、当時のラグジュアリー感を表現している」と説明した。
アールデコ調フォルムと金属的な表現の『DRAPE』 | 古い映画館によくあった時計をデザインした内蔵時計 |
MNP開始後にauの携帯電話を持ちたい――速水もこみちさん
映画やドラマ、CMなどで活躍中の俳優の速水もこみちさん |
次に新しくauのイメージキャラクターとなった俳優の速水もこみちさんが登場! 速水さんは「現在使っている携帯電話機は?」と聞かれ、「実はauはまだ使っていないんです」と答えた。理由として「携帯電話を変えたときに、みんなに知らせるのが面倒でそのままになっていた」と語っていたが、「MNPが始まれば番号を変えなくてもいいので、auを使ってみたい」とコメントした。
また、新しく発表された12機種を「さきほど楽屋で見せてもらった」とした上で、(株)日立製作所製の『W43H』を手に取り、「これが一番お気に入りです」とコメントした。
『W43H』を手にとる速水もこみちさん |