大日本印刷(株)は2日、液晶テレビの色再現性を高めるために、従来のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の三原色に加え、イエローとシアンの2色を加えた多色カラーフィルターを開発し、秋にに量産出荷を開始すると発表した。
4色カラーフィルター |
同社では、液晶テレビやパソコン用液晶ディスプレーなどで、これまで以上に実物に近い色再現の要求が高まっていることから、三原色(RGB)のカラーフィルターでは再現が難しい“黄色”“金色”“水色”などの色を再現するために多色カラーフィルターを開発したもの。最適なバックライトと組み合わせることで、カラーフィルターのNTSC比を従来の72%から、イエローを加えた4色で95%、5色では100%に拡大できるとともに、輝度(明るさ)も約35%向上するとしている(同社比)。また、ワンセグ放送に対応した携帯電話機などのモバイル機器でも利用できるという。
左が4色、右が3色 | 左が4色、右が3色 | |
比較写真 |
同社では、秋に多色カラーフィルターの量産を開始し、2007年度で100億円以上の売り上げを見込んでおり、今後、同社が開発したインクジェット方式によるカラーフィルター製造技術と組み合わせ、より純度の高い色再現や、コストの低減を進めるとしている。
多色カラーフィルターの色再現域(青は3色、左のグラフの赤は4色、右のグラフの赤は5色の場合) |