ローランド(株)は2日、テレビやビデオカメラ、ポータブルオーディオなどと接続できる、新しいコンセプトのキーボード“VIMA”(ヴィーマ)シリーズを発表した。『RK-500』と『RK-100』の2モデルをラインナップする。
RK-500。後方のテレビに移っているのが“ピアノロール” |
価格はオープンプライスで、発売は9月を予定している。店頭での実売価格はRK-500が60万円前後、RK-100が10万円前後になる見込み。初年度の販売予定数は、それぞれ1200台/5000台。“元祖バンド世代”とも言える、団塊世代をメインターゲットにする。
RK-100。鍵盤数が61鍵と少ない代わりに軽量で移動も容易 |
iPodやデジタルカメラをつないで
映像と音楽を絡めた演奏が可能
RK-500とRK-100の本体にはCD-ROMドライブを搭載。関連会社のアトリエビジョン(株)が販売する『ドレミファ楽譜セット』付属のCD-ROMを使用することで、カラオケや演奏中の静止画スライドショーなども楽しめる。また、音楽CDやSMF形式のMIDIファイル、JPEG画像の再生も可能。
チューリップの姫野達也氏とゴダイゴのトミー・スナイダー氏によるゲスト演奏も行なわれた |
ともに、オーディオ入力端子を持ち、接続したポータブルオーディオの楽曲を、ピアノ演奏を行ないながら、本体スピーカーで再生できる。内蔵の“センターキャンセル”機能を利用すれば、楽曲のボーカル部分を目立たなくでき、自ら歌うことも可能だ。
下位のRK-100と上位のRK-500はともに、264種類の内蔵楽器音を収録するが、RK-100は鍵盤数が61鍵(RK-500は88鍵)と少ないほか、キータッチや外観なども異なる。
実演を交えて機能説明するピアニストのKenjiro氏 |
RK-500の映像切り替えボタン | RK-500のCD-ROMドライブ |
最も大きな相違点は映像入力端子の数で、上位のRK-500は4系統のビデオ入力端子(S-Videoまたはコンポジット)を装備。ビデオカメラやDVDプレーヤーなど、複数の映像ソースをワンタッチで切り替えながら、外部接続した大画面テレビやパソコンのモニターに出力できる。一方、下位のRK-100が装備するビデオ入力端子は1系統のみで、パソコン用のRGB出力(ミニD-Sub 15ピン)も装備していない。
ローランド代表取締役社長の田中英一(たなか ひでかず)氏 | ローランドの創業者で、アトリエビジョンの代表取締役を務める梯郁太郎(かけはし いくたろう)氏 |
このほか、デジタルカメラで撮影した画像のスライドショー再生が行なえるUSBホスト機能、バンド譜のようなCG映像で演奏している音を表現するピアノロール機能、センサーに手をかざすことでさまざまな効果音を鳴らせる“Dビーム”などもRK-500のみに搭載される機能となる。
ピアニストのKenjiro氏は、手元と客席用の2台のカメラやDVDプレーヤーの映像を切り替えながら、映像と音楽が調和したパフォーマンスを行なったり、iPod Videoに保存したビリー・ジョエルの『アレンタウン』を大画面の液晶テレビに出力しながら、ビデオ映像とともに熱唱するデモを行なった。iPodから取り込んだ音のピッチコントロールもできるという。
本体サイズと重量は、RK-500が幅1395×奥行き568×重量851mm(専用スタンド含む)/52.8kg(本体のみ)、RK-100が幅1119×奥行き378×高さ144mm/9.2kg。