ここでは、春の行楽シーズン&“フォト イメージング エキスポ 2006”を控えて、3万円以下クラスの手軽に買えるコンパクトデジタルカメラについてまとめて紹介します。
デジタルカメラの出荷見通し、伸びは鈍化傾向に!?
いつもの読者アンケートの結果を紹介する前に、2月1日に有限責任中間法人カメラ映像機器工業会(CIPA)から発表された“カメラ等品目別出荷見通し”について、確認してみよう。この数字はあくまでも業界団体による見通しであり、各社の新製品発表の状況や内容によってもちろん変化する可能性はあるが、逆に見ればカメラメーカー各社が今後どのように動くかを予測する材料にもなる。
CIPAの発表によると、国内のデジタルカメラの出荷は平成16年(2004年)が伸びのピークと見られ、その後は伸びが徐々に緩やかに変わってきている。具体的には平成17年の結果が前年比8.4%増(約6477万台)、平成18年(今年)は前年比4.0%増の約6734万台になると見られる(いずれも数値は全世界での出荷数)。さらに、平成19年は前年比2.0%増、平成20年には前年比0.8%増にとどまると見ている。こうした状況もあって、今年1月にはコニカミノルタホールディングス(株)がカメラ事業/フォト事業から撤退し、デジタルカメラ事業についてはソニー(株)へ委譲されるという衝撃のニュースが駆け抜けた。デジタルカメラメーカー各社の事業再編については、今後も予断を許さない状況が続きそうだ。
Q:現在コンパクトデジタルカメラをお使いですか? ここでは、レンズ交換式の一眼レフデジタルカメラ、携帯電話機/PHS端末などの内蔵カメラを除く、単体のレンズ一体型デジタルカメラを総称して“コンパクトデジタルカメラ”とします。 | Q:コンパクトカメラをお使いの方にお尋ねします。そのカメラをどのように使っていますか? 最も自分の使い方に近いものをお選びください。 |
と、最初に重い話題で入ってしまったが、2月25日から3月3日まで実施したASCII24読者アンケートを見る限り、読者のデジタルカメラ購入意向は決して“しぼんでいない”ことが分かる。まず、第260回(2月4日より実施)および第263回(2月25日より実施)のアンケート結果から、今年1月以降に発表されたデジタルカメラの新製品で最も興味・関心を持った製品を調べてみると、次のようになる(興味・関心を示す回答が多かった上位6製品を抽出)。
- コダック 「Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ」 14.4%
- 松下電器産業 “LUMIX”「DMC-FZ7」 13.5%
- カシオ計算機 「EXILIM ZOOM EX-Z850」 12.0%
- 富士写真フイルム 「FinePix V10」 8.6%
- リコー 「Caplio R3」(ブラックモデル) 8.4%
- 松下電器産業 “LUMIX”「DMC-LZ5」 8.4%
Q:現在デジタルカメラを購入する予定がありますか? 購入候補が複数ある方はすべてお選びください。<複数選択> |
あいにく、上記の興味・関心度のランキングでは、3万円以下クラスのデジタルカメラは上位に挙がらなかったが、3万円以下クラスのデジタルカメラを買いたい、という声は決して少なくない。そこで、この手頃な価格のデジタルカメラを買うときに重視するポイントについて、複数の要素から“2つだけ選ぶ”という条件で聞いてみたところ、次のような順番になった(上位10項目を抜粋)。
- 値段(安さ) 14.8%
- 記録解像度の高さ(CCD/CMOSの記録画素数) 12.5%
- 手ぶれ補正機能の搭載 11.8%
- レンズの光学ズーム倍率 9.7%
- 大きさ・手に持ったときのフィット感 8.8%
- 記録メディアの種別 7.5%
- バッテリーでの撮影可能枚数 7.2%
- デザイン性・外観 7.0%
- バッテリーの種類(乾電池で撮影可能) 5.9%
- 重さ 5.4%
では、これらのポイントをスペック表にまとめながら、昨年秋から今年2月までに発表された“3万円以下クラス”のコンパクトデジタルカメラについて、メーカー別にまとめていこう。