米エヌビディア(NVIDIA)社は現地時間の9日、同社グラフィックスチップ“GeForceシリーズ”の最上位モデルとして『GeForce 7900 GTX』『同 7900 GT』『同 7600 GT』の3製品をグラフィックスカードメーカー各社向けに出荷開始したと発表した。
GeForce 7900シリーズのリファレンスカード |
GeForce 7900シリーズおよび同 7600 GTは、製造プロセスルールを従来の110nmから90nmに微細化し、DVI(デジタル)接続の液晶ディスプレーに1920×1200ドットの高解像度(XHD)表示が行なえるのが特徴。また、GeForce 7900シリーズは最大512MBのビデオメモリー(GDDR3)をサポートするほか、2個の同一グラフィックスチップ/カードを並列動作させることで画面描画を高速化する“SLI”に加えて、4個のグラフィックスチップ(1枚のPCI Expressカードに2枚のグラフィックスチップを搭載した専用カードを2枚使用)を並列動作させる“Quad SLI”もサポートする。これは今年1月に米国・ラスベガスで行なわれた家電製品の総合展示会“2006 International CES”でデモが行なわれたもの。
Quad SLI |
GeForce 7900シリーズおよび同 7600 GTは、今月2日に配布された新デバイスドライバーで対応するという動画再生支援機能“PureVideo”にも対応する。PureVideoは、従来のMPEG-2形式の動画再生支援に加えて、H.264/VC-1(WMV9)/WMV-HD/MPEG-2 HDの再生時にCPU負荷を軽減するハードウェアアクセラレーション機能を提供するもの。PureVideoのうちH.264アクセラレーション機能は、既存のGeForce 7xxx/6xxxシリーズでも利用可能(デバイスドライバーのアップデートが必要)で、PureVideo機能を利用できるDVD再生ソフトとして『PowerDVD with AVC Plug-in v2.0』(米サイバーリンク社)、『WinDVD 7.5』(米インタービデオ社)、『nero ShowTime 2』(米Nero社)などの最新版が今月中に発売される予定としている。
GeForce 7600シリーズのリファレンスカード |
GeForce 7900 GTX/同 7900 GTとGeForce 7600 GTの主なスペックは以下の通り(比較対象として、従来のハイエンドモデル『GeForce 7800 GTX 512』のスペックを併記する)。
7900 GTX | 7900 GT | 7600 GT | 7800 GTX 512 | |
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製造プロセス | 90nm | 90nm | 90nm | 110nm |
トランジスタ数 | 2億7800万個 | 2億7800万個 | 1億7700万個 | 3億200万個 |
コアクロック(最大/通常) | 700/650MHz | 470/450MHz | 560/560MHz | 550/550MHz |
メモリークロック | 800MHz | 660MHz | 700MHz | 850MHz |
頂点シェーダー | 8個 | 8個 | 5個 | 8個 |
ピクセルシェーダー | 24個 | 24個 | 12個 | 24個 |
メモリーインターフェース | 256bit GDDR3 | 256bit GDDR3 | 128bit GDDR3 | 256bit GDDR3 |
メモリー容量 | 512MB | 256MB | 256MB | 512MB |
RAMDAC(動作クロック) | 400MHz | 400MHz | 400MHz | 400MHz |
搭載グラフィックスカードは台湾ASUSTeK Computer社が『EN7900GTX/2DHT/512M 』として同日発表しているほか、今後各社から順次発表される予定だが、予想店頭価格はGeForce 7900 GTX搭載カードが499ドル(約6万円)程度、同 7900 GT搭載カードは299ドル(約3万6000円)程度、同 7600 GT搭載カードは199ドル(約2万4000円)程度になると見られる。また、Quad SLIについては、(株)エムシージェイ(MCJ)がハイエンドゲーマー向けパソコン『MASTERPIECE-F8500A-QS』(56万4900円)に採用している。